2020 Fiscal Year Research-status Report
The problem of adaptation of Sakhalin returnees to host society in Ansan city, South Korea: Focusing on young generation.
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20K12366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
パイチャゼ スヴェトラナ 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10552664)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 帰国者 / 帰国制度 / ロシア語教育 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では今まで研究対象にならなかった2世以降のサハリン帰国者の体験を視野に入れ、次の問題を明らかにするプロジェクトである。1.政治的・社会的・文化的包括や排除のメカニズムを検討する、2. サハリン帰国者のホスト社会への適応問題の特徴を明らかにする、3. 帰国者と他の朝鮮族移民特との関係の中で発生するナショナル及びエスニック帰属意識を考察する、4.日本のサハリン帰国者と比較しながら韓国の2世・3世性の自己アイデンティティーや各言語に関する意識を明らかにする。 2020年度の研究は主に2つの方向で行われた。 1つ目は、日本と韓国のサハリン帰国者に対する帰国プログラムの比較研究である。 2020年から韓国ではサハリン・コリアンの第二世代の帰国に関する新た法律が可決され、コリアン・ディアスポラの間にも議論されたため、この研究は特に重要であった。この考察の結果はソウル大学によって行われた国際シンポジウムにて発表され、現在は、同大学による出版される予定の著書にチャプタとして投稿準備中である。(審査済み) 2つ目は、安山市でのロシア語話者であるコリアンの生活中心に研究した。2020年度は、現地調査が困難であり、前年度に収集したデータを処理し、オンラインでのインタビュを行った。この結果は、北海道大学によって出版された著書に”The ’Russian language world’ in South Korea: Ethnic Koreans in Ansan”というチャプタとして投稿した。 また、パンデミックは移民に大きな影響を当て、韓国でのロシアからのコリアン・ディアスポラも例外ではない。2020年の間に韓国での移民による運営された「ロシア学校」は閉鎖したり、オンライン学校に変わったりしたケースが多かった。このプロセスの考察は今年度スタートをし、来年度はこの研究の結果をまとめたらと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルスのパンデミックのため、韓国への旅行とフィールドワークは困難であり、学校を直接訪問することも不可能だった。 そのため、今年は先行研究などの資料を収集し、ズームでロシア学校の教師とのインタビューを実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は安山市の現地調査を続けたい。可能であれば、1週間の調査を行う。安山市のほか、釜山市やソウル市のロシア学校を調査する。韓国の移住したロシア語母語話者(主に両親と子ども)へのインタビュー調査も実施する。韓国の教育書の資料を収集し、分析を行う。
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Causes of Carryover |
14円あまりました。特に使う必要性がなかったため。
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Research Products
(4 results)