2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Studies on Digitalization in Asia: Level of Usages, Policy Framework, and Identification
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20K12367
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 亜聖 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60636885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 成垣 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20451875)
大泉 啓一郎 亜細亜大学, 付置研究所, 教授 (70843689)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アジア / デジタル化 / 個人認証制度 / Eガバメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2010年代以降に本格化したデジタル端末の普及が経済社会に与える影響(以下では「デジタル化」と呼ぶ)に着目し、アジア諸国の国際比較から共通性と異質性を明らかにすることを目的としている。 2021年度は本研究プロジェクトメンバーで、研究会を実施し、外部講師からの発表および研究会メンバーによる研究報告を行った。その成果のうち、概説部分を「アジア経済社会のデジタル化をどう捉えるか?」(大泉啓一郎・伊藤亜聖・金成垣著、『アジア研究所紀要』、48巻,12-21頁, 亜細亜大学)として刊行した。そこでは各国の開発計画、経済統合、労働市場への影響、行政サービスの各分野におけるデジタル化の影響を検討している。また日本と新興国の間のデジタル分野のパートナーシップの可能性について「共創パートナーとしての日本 新興国デジタル化時代の役割と課題」(伊藤亜聖著、NIRA総合研究開発機構オピニオンペーパー、No.59)を執筆し、刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたアジア諸国における関係省庁や企業の現地聞き取り調査が実施できていないため、当初計画に比べて、引き続き若干の研究の遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までの研究活動でアジア地域における各国の開発計画、経済統合、労働市場への影響、行政サービスの各分野におけるデジタル化の影響を概説的に整理した。2022年度以降は、メンバーそれぞれが特定トピックを深掘りして検討を進める予定である。とくにデジタル化のグローバルあるいは標準的な趨勢よりも、本研究が注目するもう一つの論点である諸国間の「異質性」についての検討を深めるべく研究を進める。こうした異質性を検討するうえでは、現地に根差した情報の収集と諸国間の比較が必要となる。東南アジア地域では、一部渡航が可能となってきている状況であるため、現地のデジタル関連省庁および企業での聞き取り調査の可能性も引き続き検討する。また新興工業国論(NIEs)論との対比において、デジタル化が新興国の発展経路と戦略にどのような影響を与えうるのか、新興国研究の系譜の観点からの検討も進めたい。
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Causes of Carryover |
現地聞き取り調査のための旅費として計上していた分が渡航困難により支出停止となっていた。2022年夏以降に、比較的渡航が容易と考えられる韓国、東南アジア地域で、可能な範囲での現地調査を模索しており、これにより支出をする準備をしている。そのほか、統計年鑑等の、より基礎的な資料の収集も同時並行的に進めることとする。
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Research Products
(2 results)