2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of the Relationship between Expansion of the Role Function of Schools and the Doctoral course of EdD setting in England
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20K12379
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
冨田 福代 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (40369591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | EdD / 教師教育 / 実務家教員 / イギリス教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究目的に記載したように「英国の分権化の一端としてイングランドで制度化され拡大している、学校教育制度を基盤とした新たな教員養成制度(Teaching School制度)の実態を踏まえ、それを学校現場で担う教員養成の指導者がイングランドの各地域でどのように養成されているのかを明らかにすること」を目的として、そのプログラムと考えられるEdDと「Teaching School」の関係に注目して、「英国イングランド地方の学校の役割機能拡大と博士課程EdD設置の関係性に関する研究」をテーマとしてスタートした。 海外を対象とする本研究は、コロナ禍の社会的変化と制限の面で直接的影響を受けることになった。現地調査の計画は、日本からの渡航制限に加え対象国である英国の状況から年間を通して不可能となった。研究計画はスケジュールを中心に全体を大幅に修正する必要が生じ、ネットや文献による調査を中心として実施することとなった。 1年目の当初計画では文献調査からスタートし、ネットでの情報収集を踏まえた現地調査であったが、今回の条件下における主たる研究活動は文献調査とネットによる情報収集となった。複数の論文や文献を入手してブックレビューを行ってきた。 一方、新たな環境変化として学会や研究会はオンラインで実施されることが多く、従来は地理的・時間的条件で参加が難しい国際学会や日程であっても可能になる利点もあり、例年にない頻度で経費も削減して参加することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前項で記載のように、本研究はコロナ禍の影響を大きく受けて研究計画を大幅に変更することになった。実質的に研究計画の大半の実施が不可能となり、国内でできるネット検索や文献調査が主な内容となった。欧米を中心としたEdDに関連する主たる論文や研究書を論文検索して入手し、また図書館の蔵書および国内外の学協会のHPを中心に論文検索を行った。 その中で本研究テーマと特に関連が深いと考えられる海外文献を購入し、ブックレビューを実施してきた。中でも、Carnegie Project on the Education Doctorateの取り組みと研究結果をまとめた「The EdD and the Scholarly Practitioner」や、イギリスのEdDプログラムの内容と事例を扱った「Redesigning Professional Education Doctorates: Applications of Critical Friendship Theory to the EdD」は本研究の中心的文献として重要だと考えられるため、さらに詳細なレビューを行っていく。 また、前項目で記載のオンラインによるシンポジウムや学会は、移動時間や旅費等の必要がないため国内外の多様な会に参加することができた。イギリス教育研究学会による「Knowledge, Curriculum, and Pedagogy: Universality and developmental difference across educational phases, 8th October 2020」や、国連大学による「Higher Education Sustainability Initiative Special Event at HLPF 2020, 8th July 2020」などにも参加し、高等教育における教育内容や課題に関する国際的な現状や動向を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「令和3年度2年目」は引き続き「文献調査およびオンライン調査」を進め、資料収集と「現地調査に代えたメールによる調査」を実施する。なお社会状況の好転を待って、可能な状況が整えば現地調査に切り替えて実施する。 「令和4年度の3年目」は現地調査の社会的環境が整うと想定し、オンラインによる資料収集とメール調査の結果を検証し、残りの現地調査を実施する。同時にすでに収集した資料やデータの分析と考察を行い、確認および発展的データ収集も行う。それまでの結果を中間発表として学会等で報告する。 「令和5年度4年目」は最終年度として、研究成果を整理してまとめを行い、その成果を国内外の学会等で報告する。 訪問調査を行うイングランドの地域と対象は、Teaching Schools Councilを区分単位として「Lancashire & West Yorkshire」「North」「West Midlands」「East Midlands & The Humber」「South West」「East of England & North East London」「South East England & South London」「South Central & North West London」の8地域を予定している。インターネットによる情報収集とメール調査を行い、訪問調査対象及び順番を検討する。研究期間中(主として3年目と4年目)に各回2地域の4度の訪英を計画し、「Teaching Schools Council」と代表的な「Teaching School」を訪問する。また同時に地域の教員養成を中心的に担う大学を訪問して「EdDプログラム」の実態と教育内容を調査する。そこでは資料収集と可能な範囲で各担当者および学生への聞き取り調査を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により海外調査が実施できず、そのための関連予算が使用できなかった。日本及び調査先であるイギリスの社会状況の好転を待って、可能な範囲で次年度より実施する。なお迅速かつ柔軟に計画変更ができるように準備を整えておく。
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