2021 Fiscal Year Research-status Report
中国における「農民工第2世代」の「包」的ネットワーク形成と「市民化」に関する研究
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20K12381
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
原田 忠直 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (60351087)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 包的ネットワーク / 農民工第2世代 / 市民化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はコロナ禍において、中国における現地調査、および国内での研究会の実施がままならい状況が続いた。そのため、研究の中心は、研究対象である「包」的ネットワーク、農民工第2世代、市民化などに関する先行研究の整理、さらに文献整理に多くの時間を費やした。とくに、本研究の中心的テーマである「包」的ネットワーク論についての研究を進め、中国の経済秩序に関する歴史的な展開を前提とした『新中国経済秩序個性論』を書き上げた。 現地調査ができないなか、zoomなどを利用して、研究対象者のヒアリング調査を幾度か実施し、有益な情報を入手することはできているが、情報量は、まだ乏しく、論文などの発表には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は『新中国経済秩序個性論』を書き上げ(近日中に出版予定)、本研究の中心的な対象である農民工第2世代の理論的な位置づけはほぼ終了した。本来であれば、この理論面を補充するために、同時並行して現地調査を行う予定でいたが、コロナ禍のためまだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、コロナの状況に大きく左右され、中国の現地調査がままならない状況が予想される。そのため、昨年度に引き続きzoomを活用して、農民工へのヒアリング調査を予定している。また、国内における研究会の実施を積極的に行い、「包」的ネットワーク論の研究をさらに深化させる予定である。今年度の夏以降も調査ができない場合は、農民工第2世代を理論面から再整理して、書籍出版の準備を進める。
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Causes of Carryover |
2022年度は、『主と奴の弁証法から読み解く農民工』(仮題)の執筆準備を行う。準備として、1回のペースで研究会を実施する。内容は、①過去30年間の農民工に関する文献を中心に、専門家を交え、農民工研究の再検討を行う。②ヘーゲル研究家を交えた研究会。③「包」研究に関する研究会。以上3点を中心とした研究会を実施するための費用。さらに、研究成果公開のための費用として支出予定。
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