2020 Fiscal Year Research-status Report
Ecological Study of Natural Resource Use of the Wetlands in Malawi
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20K12387
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
今井 一郎 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (50160023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 湿原漁撈 / チルワ湖 / 資源観 / 渇水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アフリカ大陸の湖沼、湿原域における漁撈活動を詳細に観察し漁業関係者らからの詳細な聞き取り調査を実施することが基本になる。中でもマラウイ国内に分布する湿原域を主たる調査水域に設定している。しかし、2019年に始まり2020年度には全世界に蔓延した新型コロナウイルス感染症の影響により、海外への渡航と現地調査の実施が不可能な状況に陥った。現地における調査データの取得ができないために、急きょ調査研究内容を変更するに至った。研究内容は次の通りである。 ①マラウイ国水産局と連絡を取り合って2020年度に予定していた調査水域の漁業活動の実情を把握した。 ②研究代表者(今井)のコーディネーターであるマラウイ大学・チャンセラー校のスタッフに連絡を取り、調査を予定していた水域の実情を把握した。③2019年度にマラウイ国内で実施した現地調査で得たデータを整理分析し、以下のタイトルの英文の調査報告書を作成・発表した。 Problems and Prospects of Inland Water Fishing in Malawi(5) - Cases of Lungazi and Chinguma - Eastern Shore of the Lake Chilwa. Journal of Policy Studies No.61:1-13. ④主要な調査水域であるマラウイ湖で近年生じた大規模な渇水現象と住民生活について扱った文献をインターネットで収集し読み込んだ。 ⑤2019年年度のマラウイ・チルワ湖における調査結果の分析をさらに進め、③で公刊した報告とは異なる地点で得たデータに基づいた論文を執筆し印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度から世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症によって現地に赴いて調査研究を実施することが不可能になった。そのために現地でしか取得できない記録が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の蔓延の終息後、当初の計画通りマラウイ国・チルワ湖における現地調査を開始し湿原漁撈に関する記録・観察を実施する。 チルワ湖の漁業に関わる地域住民の組織と連絡を取り、問題点を抽出する。チルワ湖の渇水問題に関して、環境保護団体と連絡を取り湖の渇水現象と地域住民との関わりについて意見交換する。 これまで研究代表者(今井)が進めてきたチルワ湖における漁業調査とザンビア・バングウェウル湿原における調査報告を整理分析し、アフリカ熱帯湿原における漁撈研究書として刊行する。
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Causes of Carryover |
世界的に新型コロナウイルス感染症が流行し、現地調査のために渡航することが各地で困難な状況である。本研究の主たる調査地域であるマラウイ国への渡航も不可能な状態が続いたために次年度使用額が生じた。今後マラウイ国への渡航が可能になれば、当初の計画通りに当該助成金を使用する計画である。さらに、今年度に予定していたマラウイ国内のチルワ湖に隣接する水域における調査と合わせて助成金を使用する計画である。
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