2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K12409
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
山口 有次 桜美林大学, ビジネスマネジメント学群, 教授 (60409688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DO MANH・HONG 桜美林大学, ビジネスマネジメント学群, 准教授 (40406872)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レジャー / 観光 / エンターテインメント / 参加率 / 東南アジア / ベトナム / タイ / ラオス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者が30年間執筆に携わる『レジャー白書』(日本生産性本部発行)の調査手法を、今後レジャー活動の発展が見込まれるが体系的な調査データが存在しない東南アジアのベトナム、タイ、ラオス、カンボジアの4カ国に適用することにより、当該国における約100種類のレジャー活動参加率、参加種目数、参加希望率、潜在需要を定量化し、日本のデータと比較して、各国の現状と特性・その変化を明らかにするとともに、レジャー活動の発展プロセスを解明するものである。 2020年度は、独自調査を行ってきたベトナムで継続調査し、1014サンプルを回収した。この結果、100種類の余暇活動について、2019年とコロナ禍のダメージを受けた2020年の参加率の増減ポイントを日越比較すると、ベトナムは、世界で猛威を振るった新型コロナウイルスの感染抑え込みを成功させたといわれており、100種類中55種類はプラスであり、増加の幅も大きい。日本では、大半の余暇活動が参加率を落としており、増加している余暇活動の参加率増加も小幅であるのと対照的である。同様に、コロナ禍のダメージの小さいベトナムは、参加希望率の増加の幅が日本より総じて大きい。そして、日越の参加率に相関関係は見られなかった。全体的な参加率の高低をみると、ベトナムの方が日本より水準が高い。参加率が多くの種目で低下傾向にある日本に対し、ベトナムは日本より多様なレジャー活動がおこなわれている。なお、1人当たり平均参加種目数をみると、昨年は25.0種目であったが、2020年は23.8種目に減少した。しかし、それでも日本より圧倒的に多い。潜在需要(参加希望率-参加率)をは日越の水準に大差がない。ベトナムにおける余暇活動参加率と参加希望率は相関関係が見られる。 今後は、タイ、ラオス、カンボジアの調査を行い、それを踏まえて、レジャー活動の発展プロセスを解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、これまで独自調査を行ってきたベトナムで調査を行い、加えてタイ、ラオス、カンボジアにおける調査体制を確立することを計画していた。しかし、タイ、ラオス、カンボジアを訪問し、各国の研究協力者と研究ミーティングを行い、調査実施を依頼し、初期の調査票翻訳、データ分析の協力、研究成果の共同発表やシンポジウム開催の協力を得る方針であったが、コロナ禍で各国への入国が困難となり、現地訪問ができなかった。そのため、これは2021年度に現地訪問が可能となるまで延期した。この調査体制が整うことを前提に、2021年度にベトナムで研究ミーティングを行いことに加え、タイ、ラオス、カンボジアの訪問と同時に、現地調査を依頼して実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、タイ、ラオス、カンボジアでの調査体制を整え、ベトナムを加えた4カ国における現地調査を実施する予定である。また、ベトナムにおいて、現地の研究者と、研究シンポジウムを開始する。 2022年度は、4カ国における調査結果をもとに、4カ国の研究者と共同研究シンポジウムを開催する。 最終的なアウトプットとして、約100種類のレジャー活動の発展プロセスを明らかにする。これは、日本のレジャー史を振り返りながら、日本の1980年代後半から最近年に至る動向、先行研究のモンゴル国、韓国、中国(上海、海南)の調査結果、本研究による東南アジア4カ国(ベ トナム、タイ、ラオス、カンボジア)の調査結果をあわせてモデル化を試みる。現段階の分析視点(例)は、1)レジャー活動の黎明期・初期 段階・成長期・成熟期・再生期にみられる参加率・参加希望率・潜在需要・参加種目数の傾向、2)経済指標とレジャー活動状況との相関関係 、3)各国におけるレジャー施設・サービスの開始・供給量とレジャー活動発展の関係、4)約100種類のレジャー活動種目の発展プロセスに おける順番・相関・関係性・類似性、5)それぞれの国における性別・年齢階層別のレジャー活動特性とその変化のモデル化が挙げられる。
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Causes of Carryover |
2020年度は、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアの4カ国を訪問し、研究ミーティングを行うとともに、調査実施を依頼し、初期の調査票翻訳、データ分析の協力、研究成果の共同発表の協力を得る予定であった。しかし、コロナ禍で、現地への訪問が困難となった。そのため、これを2021年度に延期し、各国への入国が可能となった段階で、訪問することとした。
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