2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K12413
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐野 浩祥 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (50449310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 雅男 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (20547088)
丸谷 耕太 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50749356)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 創造都市論 / 創造農村論 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに国内の観光地における創造的環境(クリエイティブ・ミリュー)についての事例調査を積み重ね、それらを体系化する概念モデルとして、創造的環境の指標を作成したが、その指標の妥当性について、創造都市論・創造農村論の泰斗である佐々木雅幸先生にご意見をいただく機会を持ったが、概ねご理解いただいた上で、ご助言もいただくことができた。あわせて、海外の事例としてカナダ・ソルトスプリング島の現地調査を実施した。現地では、島在住の日本出身者にご協力いただき、政府機関や非営利組織の関係者、イベント運営者やアーティストなど、13組に対してそれぞれ1時間以上にわたるインタビュー調査を実施した。その結果、上記概念モデルの妥当性を確認することができた。最終年度の後半期間では、これまでの情報を統合し、創造的環境の指標の精緻化を目指し、複数回のミーティングを重ねた結果、研究者間でコンセンサスの得られる概念モデルの導出に至った。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、本研究のテーマ「観光地における創造的環境の成立要因に関する研究」に立ち返ると、わが国ではほとんど未着手であった「創造的環境」という概念について、国外の先行研究をとりまとめたことに加えて、それらをわが国の観光地の状況にひきつけて議論した点、さらには「創造的環境」が存在すると思われる国内観光地を広く現地調査した上で、「創造的環境の指標」という概念モデルを提示した点が大きな成果である。今後、学術論文として発表し、今後のさらなる研究の発展につなげていきたい。
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