2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of method of Community-led tourism management for sustainable Uji-cha tea production and culture
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20K12418
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
森 正美 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (00298746)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 宇治茶 / 地域マネジメント / 持続性 / ルール / ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の本年度ではあったが、コロナ禍の発生によって、予定していた研究を実施することが大変困難であった。そのなかで、主に、京都府下における宇治茶関係者へのインタビュー、宇治茶関連のイベントの企画実施を通じての行政関係者との議論や意見交換、さらにそれらのイベントや講座参加者へのアンケート調査などを実施した。 コロナ禍においては、「対面型での喫茶」、茶産地などを含めた各地域への「移動」などが大幅に制限され、茶の消費量が大きく落ち込んだ。関係者とのインタビューや議論のなかで、「対面型」に替わる代替的な方法の開発の必要が認識された。手探りではあったが,実践的研究手法として、(1)オンラインによる講座、(2)オンラインによるフィールドワーク、(3)オンラインによるお茶の淹れ方体験、(4)動画作成配信など、コロナ禍における観光を巡る新たな動きに対応するような企画を試行実施した。 これらの活動を通じて、オンラインでも宇治茶の担い手の生の声に触れることに対して、参加者からは大変高い評価が得られ,同時に、現地を訪れたいという意欲も高まることもわかった。また宇治茶を事前に送付し、各自で体験的に喫茶してもらう形式を採用した。そのことにより。単なる宇治茶の情報発信だけでなく,喫茶という体験価値を合わせて伝えることができたことを多くの参加者が評価していた。 また、これまでの文献のレビューや予備調査の内容などを元に「文化としての宇治茶と観光」片山明久編著『旅行者と地域が創造する「ものがたり観光」』ミネルヴァ書店所収を出版した。宇治市教育委員会『宇治学指導の手引き 3年生』には「宇治茶を伝えるとは、何を伝えることなのか」という原稿を寄稿した。さらに、映像作品として、アーバンデザインセンター宇治との連携で、宇治市内若手茶業者5名に参加協力頂き『宇治をつくるひとびと:宇治茶篇』を企画製作し映像配信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍での移動制限のなかで、フィールドワークの実施が困難であった。また業務的にも種々のコロナ対応に追われ、研究方法の見直しを図ることが難しかった。また研究協力者やインタビュー対象者として想定していた地元関係者も、緊急的な対応業務に追われ、なかなかじっくりと調査協力を依頼するのが難しい状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインや書面で実施できるアンケートなどの量的調査の準備をすすめ、コロナ禍で対面が難しい中でも実施できるように工夫をしていく。 またオンラインによる様々なツーリズムや地域の魅力発信手法が開発されることにより、オーバーツーリズム対応型のルールの必要性から、リスポンシブル・ツーリズムへの転換が求められるようになっていると考えている。そのために、地域側だけでなく、顧客、観光客側の意識の変容なども含めて、どのようなラーニングプロセスを構築できるのかを検討していく。
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Causes of Carryover |
昨年度コロナ禍で実施できなかったフィールドワークの費用を,今年度はオンラインなどを活用したアンケートの実施分析、インタビューのテキストマイニングなどの費用に充てる。そのことで、コロナ禍でも可能な研究方法を開発したいと考えている。また、コロナの状況をみながら、国内茶産地での調査は可能な範囲で実施したいと考えている
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Research Products
(1 results)