2023 Fiscal Year Annual Research Report
観光資源としてのジャパニーズ・ポップカルチャー・イベントの発展パターンの分析
Project/Area Number |
20K12435
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
田嶋 規雄 拓殖大学, 商学部, 教授 (20328008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マーケティング / ポップカルチャー / ポップカルチャーイベント / 観光資源 / 地域活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、沖縄県南城市を舞台にしたアニメ作品「白い砂のアクアトープ」を取り上げ、同市の観光協及び同市役所観光課へのインタビューを行った。また、「まんが・アニメのまち 新潟」というブランディングが進行し、ファン向けに毎年、いくつかのマンガ・アニメ関連のイベントが継続的に開催されている新潟市も事例として取り上げ、同市の担当部署にインタビューを行った。 2つの事例および全研究期間を通じて得られた主な知見は、単発でのイベント開催は大盛況に終わることはあっても、継続的に集客していくためには、持続的な仕組みづくりが必要であるということである。本研究の理論的貢献点は、本研究では、地域外への外販や、一般消費者のへの市場拡張という観光以外のマーケティングを考慮できるフレームワークを提示できた。また、主体間のダイアディックな関係に焦点を当てた戦術的な提案に留まることなく、「仕組み」として持続的な地域活性化の方策を提示できたことも貢献点である。 そして、本研究の実務的貢献点は、ポップカルチャー・イベントが持続的な地域活性化において果たす役割について、従来の観光や聖地巡礼というフィールドだけでなく、地域外への外販や一般消費者への市場拡張といったポテンシャルを示せたことである。また、文化としてのポップカルチャーのマーケティングにおいては、ファンへの対応もさることながら、ファン以外の主体への対応も必要であり、その際には、ポップカルチャーに対する理解を促す以上に、「正当化」を意識したマーケティングが重要である。そして何よりも、短期的な効果に終始する対応ではなく、持続的活性化を目指す際には、消費者、生産者、供給業者、行政、地域住民の5つの主体の持続的関わりを考慮すべきあると示唆できたことが本研究の重要な実務的貢献点である。
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