2020 Fiscal Year Research-status Report
How Japanese local amusement park will survive? - A comparative study with five cases-
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20K12440
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Research Institution | Yokohama College of Commerce |
Principal Investigator |
竹田 育広 横浜商科大学, 商学部, 教授 (60329068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 屋外遊園地 / コロナ禍の遊園地の価値 / 観光移動とアクセス手段 / 域内回遊移動状況 / オンライン化が実質的に困難 / 団体客、外国人客の大幅減少 / 日本人の個人客利用促進 / 遊園地の既成概念を超える |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は比較研究対象の5市町施設に対して、新型コロナによる経営手法、事業の変化、市内モビリティの回遊状況の2点についてヒアリング調査を行った。調査時期は、2020年7月から12月である。以下、各施設のポイントを整理する。 淡路市の施設では、近年、株式会社パソナが北淡エリア、西淡エリアにレジャー施設、飲食施設を開業し、勢力を強めつつある。これらの施設の開業は、関西地区、中四国エリアからの集客増に一役買っているが、地元の観光事業者から見ると脅威となっている。阿賀野市の施設では、経営危機を脱するためクラウドファンディングを実行し、目標金額を達成した。その勢いを次の一手にどう生かすかがもっぱらの課題である。また、遊園地の既成概念を取り払い、広大な敷地を活かしたキャンプ場やサバイバルゲームのイベントや低予算で体験価値を実現するアトラクションづくりを行っている。魚津市の施設では、積極的に遊具を増やしていく方針を掲げており、他地域の施設とは一線を画した経営手法を進めている。アトラクションを増やし、将来的にフリーパスポート制を導入検討していることが背景にある。観覧車の無料券を配布し、コロナ禍での利用者増を図る努力を行っている。宮津市の施設では、近年において経営を支えていた外国人観光客が来なくなり、これに代わり日本人個人客がGOTOトラベルキャンペーンを利用してにぎわいを取り戻していた。海の京都エリアの移動状況のアンケート調査結果により、さらなる分析の深化が期待される。太宰府市の施設では、太宰府天満宮の境内の一部に独特の立地特性を持ち、希少な存在である。また、未就学児から小学校低学年をターゲットにしたサービスに力を入れている。アトラクションを撤去した跡地の利活用が課題となっていたが、新たにアウトドア系の無料ゾーンを設け、利用者の増大を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の研究計画は、遊園地施設を含めたエリア全体の市場環境の把握である。市場環境の把握の中には、遊園地施設を起点または終点とした遊園地利用者の回遊移動状況の把握も含まれている。この回遊移動状況を把握するためのアンケート調査が十分に実施できなかった点が挙げられる。その理由は、新型コロナの影響による遊園地が営業していない期間があったこと、しかも最も集客を見込める期間に営業していなかったためである。 さらに、そのアンケート実施方法を根本的に見直すこととなり、当初予定していた現地で来園者に直接アンケートを実施する方法から、非接触型でのアンケート実施方法の検討に時間を割かれた。各市町村施設の担当者への実施協力方法などをすり合わせることに時間が割かれた。 最終的には、非接触型のアンケート実施方法を考案して、現在は3市町村にて準備が整い、試験的にアンケートをスタートさせた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年4月後半からの緊急事態宣言発令によって、アンケート実施が実質的にストップしていること、さらに外出自粛から現地調査が実施できていないことが挙げられる。このような状況に対して、オンライン会議を開き、現地との課題共有は継続している。2021年度以降は、各施設の価値向上、および立地エリアのニーズ把握を狙いとする。まずは、残る2市町村でのアンケート実施体制の準備と5市町村全体でのデータ収集が課題である。
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Causes of Carryover |
現地でのヒアリング調査のテープ起こしの人件費と現地でのアンケート調査に対する謝礼金の発生がなかったため繰越金が発生した。その予算額を次年度に繰り越し、使用計画を次のように変更する。アンケート実施に係る物品(アンケートカード用紙代、アンケートカード印刷のためのプリンターインクカートリッジ代)、アンケートカードの郵送代(レターパック購入代金)、そして現地調査旅費の一部として使用する計画である。
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