2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Gastronomy Walking in the Alsace Region from the Viewpoint of Wellness
Project/Area Number |
20K12444
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
西村 典芳 流通科学大学, 人間社会学部, 教授 (10636351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高根沢 均 関西国際大学, 現代社会学部, 准教授 (10454779)
傍嶋 則之 関西国際大学, 現代社会学部, 教授 (30779509)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガストロノミーツーリズム / ウエルネスツーリズム / ヘルスツーリズム / ワインツーリズム / フードツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の現地調査と分析から、日本の農山漁村地域においてガストロノミーウォーキングを通じた観光地域づくりを進めるうえで注意すべき視点を見出すことができた。 第一に、どちらの事例でも、イベントの舞台となった地域の自然や景観に対する満足度は高かった。ガストロノミーウォーキングでは、歩くことは単なる健康のための運動ではなく、地域の魅力に触れ、豊かな食を生み出す風土を楽しむことに価値がある。したがって、イベントで提供する食事にこだわるだけでなく、日ごろから地域の景観づくりに力を入れることが大切である。 第二に、バール村のフードポイントではふんだんに飲料も食料もあったが、湯梨浜のフードポイントでは全体的に量が不足しているという指摘も多く、全体の満足度の低下につながってしまった。「ガストロノミー」のイベントとして、「試食・試飲」というスタンスではなく、参加者が十分に満足することを最優先して、地域の特産・郷土料理の提供プランを組み立てる必要がある。そのためには、地域性の高いメニューの提供とそれに見合った参加費の設定を十分に検討することが求められる。 第三に、地域活性化につなげるためには、一部の住民団体だけではなく、地域全体を巻き込んだ協力体制が必要である。今回の調査で明らかになったように、ガストロノミーウォーキングは、飲食を楽しむだけではなく、ウォーキングで地域を見て回り、参加者や住民と交流することで、身体的な健康だけではなく、精神的・社会的にもウエルネス意識を満たすことができるイベントである。その効果を十分に高めるためには、参加者だけでなく、地域の住民も健康で豊かな暮らしを享受できる地域づくりを目指す意識を持つことが必要であろう。
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