2021 Fiscal Year Research-status Report
国際リゾート地ニセコにおける外国人ワーキング・ホリデー・メーカーの生活と労働
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20K12448
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Research Institution | Hokusei Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
森越 京子 (横山京子) 北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (40299730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 隼人 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (80784280)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワーキング・ホリデー / ニセコ / 観光 / ホスピタリティ産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるワーキング・ホリデー(WH)制度に関して基本的な情報の収集、ニセコ地域でWH受け入れを行っている自治体担当者・民間企業の方にヒアリングを行った。ニセコ地域では、2005年ごろからワーキング・ホリデー・メーカー(WHM)が見かけられるようになり、その数は、インバウンド観光の発展とともに増加した。この地域のスノーリゾートでは労働者不足は深刻であり、WHMが重要な労働力となっている。また、多様な文化的背景をもつ外国人WHMは、海外からの旅行者に様々な言語で対応できる貴重な人材であるだけでなく、ニセコ地域に多様性をもたらし「国際的な」雰囲気や環境を作り出す役割を果たしている。また、WHM自身が消費者となり地域の経済に貢献している。これらの利点が明らかになったが、この地域におけるWHMに関する課題も指摘されている。ニセコ地域では、WHMとその他の外国人旅行者・労働者の区別はされていなく、外国人としてひとくくりで見られることが多い。地域住民と外国人とのあいだでの生活上の摩擦は存在する。また、受け入れ企業にとっては、WHMの様々な問題解決への対応など負担となる部分もあるということも指摘された。これらの内容は、中間報告の形で観光学術学会やCTR International Tourism Research Salon にて報告することができた。また、これまでの調査の結果の一部を、Wakayama Tourism Review Vol.3 Special Issueに投稿し発表した。さらに、2022年3月には、ニセコ地域在住の方をはじめ、ワーキング・ホリデーに関心のある方をまじえ、“第2回Working in Niseko”研究会を開きニセコ地域のワーキング・ホリデー・メーカーに関して報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ワーキング・ホリデー・プログラムを活用して、現在日本に滞在している訪日外国人を探すことが困難であるため、研究計画を大幅に変更して研究を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、 1)ワーキング・ホリデー・メーカーを受け入れてきたニセコ地域の自治体担当者、民間企業の関係者に実施したヒアリングの内容をさらに分析し論文の形でまとめる。2)ニセコ地域にこれまで滞在した外国人ワーキング・ホリデー・メーカーと広く定義して、ニセコ地域におけるワーキング・ホリデー・メーカーの経験について調査研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍、計画通りに現地調査や研究会・国際学会等への出席ができず、旅費に関して使用することができなかった。2022年度は、研究フィールドへ赴いて調査活動を進めることと、研究の調査結果を報告する研究会の実施を予定している。
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