2020 Fiscal Year Research-status Report
女性キャリア研修と管理職ダイバーシティ研修の取り組みと意識変化に関する実証的研究
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20K12451
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
駒川 智子 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (50466439)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジェンダー / キャリア / ダイバーシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、女性のキャリア研修と管理職のダイバーシティ研修を対象に、内容と意識変化を考察することを通じて、女性管理職の増加に向けた阻害要因である意識におけるジェンダーバイアスを除去する方途を明らかにすることである。 具体的には、女性活躍推進法にもとづく事業主行動計画において、女性のキャリア研修と管理職のダイバーシティ研修の両方を取り組みに掲げる先進的企業を対象に、第一に研修内容の検証、第二に女性労働者のキャリア形成の意識と行動に関する調査、第三に管理職の部下育成の意識と行動に関する調査を実施する。そして両研修の相互作用による組織文化の変化を分析し、女性管理職の増加への効果を考察する。こうして意識・文化レベルでの女性管理職増加の阻害要因である、ジェンダーバイアスの解消策を探索するものである。 この課題に迫るため、令和2年度に実施した研究の成果は下記のとおりである。 調査対象企業の選定:女性のキャリア研修と管理職のダイバーシティ研修の検証に向けて、女性活躍推進法にもとづく事業主行動計画をもとに、調査対象企業の選定作業を行った。選定基準を、①女性管理職比率の数値目標の選定、②女性のキャリア研修、③管理職のダイバーシティ研修、の3点を満たすこととした。当初は、申請者がネットワークを有する金融業ならびに小売業から選定することを予定していたが、選定基準を満たし、調査実施可能性が高いと目される複数の企業を候補とするため、対象を製造業にも広げて選定作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査対象企業の選定作業は実施しており、調査研究の実施スケジュールの一部は遂行されている。しかしながら、COVID-19の感染拡大にともない、移動と面談が大幅に制限されたため、企業を訪問調査することができなかった。このため当初予定していた女性労働者の調査ならびに管理職の調査における、研修前調査と研修後調査を実施するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究計画を見直し、令和3年度に企業への調査を実施する。その際、COVID-19の感染予防が第一に求められるため、調査の一部を訪問調査からオンライン調査に切り替えることを予定している。加えて、令和2年度に行えなかった女性労働者と管理職への研修前ならびに研修後の調査を、令和3年度に実施することとする。方法は受講者の感想などの資料提供を依頼して分析を行うとともに、別途、アンケート調査を実施することを検討している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大にともない移動と面談が制約されたため、令和2年度に予定していた企業への訪問調査を実施することができなかった。令和3年度に企業調査を実施するにあたり、状況が許すならば訪問調査を実施することとし、令和2年度に使用しなかった旅費をここに充てる。また調査の一部をオンライン調査に切り替えるに際して、必要な機材の購入費に充てることに加え、付加的に発生する紙資料の送付などの費用に用いる。
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Research Products
(1 results)