2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of Spirit Possessions and Their Genders among Religious Practitioners
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20K12458
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
福浦 厚子 滋賀大学, 経済学部, 教授 (90283548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福浦 一男 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授 (80425016)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 憑霊のジェンダー / 憑依宗教 / 霊媒 / シンガポール / チェンマイ / 北タイ |
Outline of Annual Research Achievements |
調査計画においては本年度の研究課題に関する海外調査を実施する予定であったが、COVID-19の影響により中止を余儀なくされた。そのため、今後の海外調査に関わる研究枠組み等全般的な内容を検討するために、国内において文献研究を実施することに専念した。代表者である福浦厚子はシンガポールにおけるジェンダーと憑依宗教の関係に関わる研究だけでなく、宗教をめぐる多様な現象や社会制度全般、また東南アジアに限定せずに文化人類学における憑霊に関して研究を行った。その成果の一部は国際学会AAS-in-Asia(アジア研究学会)ならびに日本文化人類学会において発表した。今後は、これらを論文としてまとめる。 研究分担者の福浦一男は北タイの憑依宗教における研究に従事し、そのなかで霊媒の諸活動がジェンダー横断的であることや数百年にわたる宗教伝統を継承・発展させてきた点に関して国際学会AAS-in-Asia(アジア研究学会)において発表した。本学会で福浦一男は東アジアと東南アジアにおける経済、社会、政治状況が宗教の変容や再活性化に及ぼす影響について日本、韓国、タイ、シンガポールの研究を比較検討するため、パネルを代表者として組織した。オーガナイザーとしてマテリアリティの視点から統括すると同時に、個人発表も行った。また、そのような北タイの憑依宗教の実践が商業化や社会文化均質化の只中にある現代社会の再編成や、現実の諸問題との交渉について、日本文化人類学会において発表した。さらに、現地の精霊信仰と霊媒術が、モダニティのなかで異種混淆的に発展してきたメカニズムを存在論的人類学の視座から検討し、共著書『日常的実践の社会人間学』として著した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題を実施するにあたって、国内研究と海外研究の二つを想定していたが、CODIV-19の感染拡大によって海外調査研究先であるシンガポール、タイに日本から入国ができなくなり、海外調査を中止した。そのため研究の進捗状況はやや遅れている。国内での文献による理論研究に関しては概ね実行できた。よって、やや遅れていると判断した。海外調査先の出入国状況が改善しだい、遅れを取り戻すようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の当初計画に則って、研究を実施する予定にしている。研究代表者はマレーシアの調査研究に従事するとともに、昨年実施できなかったシンガポールの調査も行う。研究分担者はバンコクの調査研究を実施し、さらに昨年実施できなかったチェンマイの調査も行う予定にしている。CODIV-19の影響で今年度も調査を実施できない場合には国内の諸研究機関において資料収集を実施し、研究枠組み等に関連する研究を行うとともに可能な限りウェッブやSNSを駆使した調査方法を検討し、研究を補足できるように対応する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により、当初計画していた海外調査を変更せざるを得なくなったため、次年度使用額が生じた。今年度以降、調査が実施できるようになった段階で計画をすみやかに実施する予定である。
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Research Products
(5 results)