2021 Fiscal Year Research-status Report
米国フェミニズムにおける多様性概念の形成とプエルトリカンのジェンダー
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20K12461
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
三宅 禎子 岩手県立大学, 高等教育推進センター, 教授 (30305271)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターセクショナル・フェミニズム / プエルトリカン・ジェンダー / ブラック・フェミニズム / 米国フェミニズ ム / プエルトリコ / 米国領土 / 法的植民地 / 多様性の概念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に続き、covid-19感染症拡大のため、予定していた現地調査を延期し、文献分析を主に実施した。特に、フェミニスト運動の精神的リーダーの役割を果たすフリア・デ・ブルゴスの研究を実施した。 フリア・デ・ブルゴス(Julia de Burgos 1914-1953)は、プエルトリコを代表する女性詩人であり、プエルトリコ社会のなかだけではなく、広くアメリカでもラテン系社会を代表する詩人としてその地位を確立している。その特徴は、自分らしさを追求するフェミニストとしての作品、プエルトリコの属国状態を嘆くナショナリストとしての作品、黒人女性であることを誇る反レイシズム的な作品、アメリカ社会の格差社会を批判する作品など、プエルトリコのアメリカ社会における社会的立場を表現している。フリア・デ・ブルゴスは、プエルトリコでは1970年代以降のフェミニズムの隆盛とともに知名度を増し、アメリカ本国では、アメリカ社会でのプエルトリコ人社会の存在感の増大及びラテン系社会の勢力の増大とともに知名度が確固としたものになった。 人種、マイノリティー、階層、文化の多様性からくる女性たちの置かれた状況を一括りにするのではなく、状況の異なる米国内の多様な女性の状況を理解する必要を主張するインターセクショナル・フェミニズムの理論に従えば、プエルトリコ人女性の状況を理解するにはフリア・デ・ブルゴスが表現している内容を理解する必要がある。もちろん、その状況は時代によって変化する。プエルトリコ女性の昨今の状況も、米国本土でアメリカ人として活躍する女性の進出などの事例、プエルトリコにおける女性政治家を中心とした新たな政党の進出などについて現地調査を含めて今後の調査対象として研究を進め、プエルトリカン・ジェンダーの問題を、島も含めてアメリカの一側面として捉え直しつつ研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も昨年度に続き、covid-19感染症の拡大のため、予定していた現地調査を延期せざるを得なかった。従って、予定していたLibrary of Congress, Washington, DC, National Archives Research Center におけるアレクサンドリア・オカシオ・コルテス連邦議会下院議員及びプエルトリコ、サンフアン女性市長カルメン・ユリン・クルスの言動を巡る連邦議会での議論に関する議事録の収集・分析に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
covid-19感染症拡大が収束し次第現地調査を実施する。現地調査での資料収集では、目的とする資料以外の部分についても多くの情報を収集する機会に恵まれることが多く、研究視点の広がりが得られるので得難い研究活動となるものであるが、現状を鑑み、インターネット上の手段を利用した資料収集・分析の強化に努める。
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Causes of Carryover |
本年度はcovid-19感染症の拡大のため、予定していた現地調査を延期せざるを得なかった。covid-19感染症拡大が収束し次第現地調査を実施する。
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