2023 Fiscal Year Research-status Report
支援者のジェンダー規範が支援に及ぼす影響とSOGIE概念に基づく性暴力被害者支援
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20K12462
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 良子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (00441139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 直美 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (60618875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 性暴力 / 被害者支援 / 性規範 / 支援者 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外の調査において、女性の4人に1人、男性の6人に1人、セクシュアルマイノリティの2~5人に1人が成人するまでに何らかの性暴力被害を受けており、PTSD、抑うつ、自死念慮、アルコール・薬物乱用、性感染症、妊娠、再被害のリスクなど、さまざまな被害による影響が報告されている。こうした影響から回復するには、被害後の早期介入が提唱されており、2010年以降各地で「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(以下、ワンストップ支援センター)」が設立された。 近年、「#Me Too」運動の広がり(2017年)や、性犯罪にかんする刑法改正(2017年、2023年)に伴い、人々の性暴力の問題に対する認識が向上し、ワンストップ支援センターへの相談件数は年々増加傾向にある(内閣府,2023)。しかしながら、相談者の9割は女性で、男性からの相談は1割程度である(内閣府,2023)。実際、支援現場においても性暴力被害者として想定されているのはおおむね女性と子どもであり、男性やセクシュアルマイノリティの人びとへの支援は限定的である。 そこで、申請者はこうした支援の現状や、被害者へのまなざし、支援の質において、支援者のもつジェンダー規範やセクシュアリティ規範が影響しているのではないかと仮説を立てて、2022年度に「支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範の探究」にかんするインタビュー調査を実施した。28人の支援者の語りを分析し、その結果に基づいて2023年度に「性暴力被害者支援に携わる支援者の性規範およびSOGIESC概念の認識と性暴力被害者支援の課題」に関するWebアンケート調査を実施する予定であったが、諸事情により質問項目が完成できず実施に至らなかった。2024年度に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に実施した「性暴力被害者支援に携わる支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範の探求」のインタビュー調査の分析結果に基づいて、アンケート調査の項目を精査する予定であった。 インタビュー調査の分析が滞っていることで、アンケート調査の項目を完成させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に「性暴力被害者支援に携わる支援者の性規範およびSOGIESC(ソジエスク)概念の認識と性暴力被害者支援の課題」のWebアンケート調査項目を策定し、実施する。また、成果を報告する。
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Causes of Carryover |
2023年度に実施予定であった「性暴力被害者支援に携わる支援者の性規範およびSOGIESC(ソジエスク)概念の認識と性暴力被害者支援の課題」に関するWebアンケート調査が実施できず、2024年度に実施することになったため。
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