2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of completely-tagged ultra-fast neutron beam by using inverse kinematics
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20K12499
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
西村 太樹 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (30612147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中性子 / 逆運動学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「逆運動学を利用してエネルギーと角度の情報を標識化(タグ)した20MeV以上の超高速中性子ビームを開発すること」である。これまでに、超高速中性子ビームと原子核との反応断面積は、エネルギーの広がったビームを使うことしか出来ないために測定元素や測定エネルギーの種類が乏しく、測定値に大きな不定性を持ってしまっていた。そこで本研究では、p(12C,12N)nという二体反応の逆運動学にて中性子ビームに随伴する12Nビームの散乱角度を精度良く測定し、エネルギーと角度をタグした中性子ビームを新たに開発する。中性子ビームのタグによって推測されるエネルギーと角度を、中性子を飛行時間測定法による実際の測定結果と比較することで、得られた中性子ビームのタグの性能を定量的に評価する。令和4年度も、本来ビーム開発を進める段階であったが、本研究課題としてのマシンタイムを得ることができなかったため、検出器の開発を続行した。引き続き、平行平板型電子なだれ位置検出器(PPAC)の基本特性の確認やプラスチックシンチレータの応答を確認した。また、VMEシステムの性能評価を不安定核ビームを照射したオンラインデータにて実施した。これらによって、エネルギーと角度の情報を完全タグした超高速中性子ビームを開発するために必要な基礎的な知見がさらに得られ、ビームを開発する段階へと進めることができるようになった。また、中性子検出器の開発も実施できる段階に入った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19禍において加速器施設での実験中止や大学への登校規制のために研究活動に制限を強いられたため。また、電気代高騰によりマシンタイムの時間が減っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はCOVID-19禍における加速器施設での実験中止・延期や登校規制は解除されるため、エネルギーと角度の情報を完全タグした超高速中性子ビームの開発を進める。また、令和4年度後半の加速器実験の課題申請が令和5年度前半に募集されるので、これに採択されるべく研究計画を再度練り直す。中性子検出器の開発にも取り組む。
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Causes of Carryover |
半導体などの納期遅れによる物品が調達できなかったり、適切な国際会議が延期となったりしたため。令和5年度の前半で検出器を購入し、後半で日米合同物理学会にて発表を行う旅費に使用する予定である。
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