2020 Fiscal Year Research-status Report
Interior design aiming indoor disaster prevention and development of bamboo furniture for reducing fall damage
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20K12515
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
白石 照美 拓殖大学, 工学部, 教授 (70266237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 眞理 拓殖大学, 工学部, 教授 (50193008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家具固定 / 室内防災 / タケ材 |
Outline of Annual Research Achievements |
室内防災および減災に寄与する内装およびインテリアアイテム開発を目的として、家具固定を促す内装システムの提案と、タケを主材とした転倒ダメージ軽減家具の開発に取り組んでいる。 家具固定に関しては、今年度、改めてアンケートによる現状把握と意識調査を行った。家具固定の現状については、2013年に筆者らが行ったの調査および近年の内閣府、東京消防庁の調査と同様で、50%程度の固定率であることが確認できた。また、家具固定に対する居住者の抵抗感を確認する目的で、固定のために家具に傷がつくことを許容できるかどうかの問いに対しては、約80%がある程度は許容できると答えた。このことは金物による固定普及の可能性を示唆しており、わかりやすく、作業性の良いシステムの開発が固定率の向上に寄与すると考える。また、壁面の基材として選定した材料について、適材選択のための判断材料とする目的で、木ネジの引き抜き試験を実施した。同時に、幅木部分を活用した家具固定についても簡易起震装置を作成して実験の準備を進めている。 タケを主材とした転倒ダメージ軽減家具については、これまで試作したシェルフ型家具について、人体マネキンに加速度センサーを装着し、その体幹部に家具の天端が当たるように転倒させる方法で衝撃試験を実施した。その結果、部材構成、重量、重心の位置等の違いによって衝撃(加速度)が大きく異なることが確認できた。この結果を分析することで、人的ダメージ軽減のために必要な家具構成の指針が得られると考えている。 また、収納家具に使われている布材(化学繊維による不織布・帆布等)およびタケ材と組み合わせた使用を検討している自然布(麻布・竹布等)について、力学的・物理的特性およびアンケートによる感覚特性調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた木ネジの止めやすさに関する実験、家具固定を促す壁装材に使用するための被覆材の検討については実施できなかった。一方、これまで試作した家具について、転倒実験による衝撃比較ができたことで、ダメージ軽減のためのアイデア展開が可能となった。また、布材に関する調査が前倒して実施できたことで、2021年度予定しているタケ材を主材とした家具の検討にスムーズに着手できる見通しである。 家具固定については、これまで検討していた金物を使用した壁面固定方法に加えて、一般的な内装部材である幅木に着目し、これを固定部材としてデザインし、内装工事の際に躯体に確実に接合する前提で、新たな固定方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
家具固定については、壁面固定方法に加えて、幅木を固定部材としたな固定方法について実験的に検討を進める。木ネジの止めやすさについては、今年度、被験者の確保が可能となった段階で、筋電センサを使用した筋活動量の測定を実施する予定である。 タケ材を主材とした転倒ダメージ軽減家具については、転倒実験によって得られた結果の詳細分析から基本構成を検討し、さらに家具としての収納性と強度確保の方策として、布およびひも形状材料(タケやトウなど)の編み組による面構成部材との組み合わせに取り組み試作を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、予定していた試作や実験の実施がかなわなかったため、物品費、人件費に差異が生じた。代わりに、次年度に予定していた調査を委託によるアンケート調査という形でで実施した。2021年度に改めて材料収集、タケ材を使用した家具の試作を進める。
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Research Products
(2 results)