2021 Fiscal Year Research-status Report
Method for aesthetic design based on customer's kansei evaluation using deep learning
Project/Area Number |
20K12540
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 正和 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40409652)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 感性工学 / 意匠設計 / 深層学習 / ラフ集合 / ファインチューニング / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
感性工学の研究分野では,顧客アンケートに基づいて製品デザインと顧客の感性の対応関係を分析し,意匠設計に利用することで,設計者によらずに,顧客の感性的要求を満たす製品デザインを設計することを目指してきた.本研究では,この目標を実現するために,近年様々な分野で利用され,多くの成果を上げている深層学習を導入した創成型意匠設計法の検討を行う. 今年度は研究の2年目として, 被験者が製品の感性評価を行う際の被験者の負荷軽減に注目した.感性工学の研究分野で深層学習を利用する場合,顧客アンケート,すなわち,製品に対する感性評価の結果を学習データとして用いることになるが,深層学習のモデルを精度よく学習させるためには,数百から数千,時には数万という数の学習データが必要になるため,アンケートによる学習データの収集が被験者の負担になっていた.そこで,被験者の負荷を軽減するために,今年度は,(1)ファインチューニングやアクティブラーニングなどの深層学習のテクニックの利用,(2)ラフ集合の利用,の2つテーマについて研究を実施した.以下にその概略を示す. (1) 深層学習の分野では,ファインチューニングやアクティブラーニングなど,少ない学習データで精度よくモデルを学習させるためのテクニックが数多く研究されている.本テーマでは,これらのテクニックを顧客アンケートを学習データとした深層学習に適用し,その有効性を検証した. (2) 感性工学の分野では,アンケートの結果から,顧客の選好と製品意匠の関係を抽出するために,ラフ集合がしばしば用いられる.本テーマでは,ラフ集合を利用して,限られた数の顧客アンケートから大量の学習データを生成する方法を構築し,その有効性を検証した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,当初計画のうち,「深層学習を利用した高精度アンケートシステム」に注力して研究を実施した.(1)と(2)のテーマで異なる2つの方法を検討・構築し,それぞれ有効性を検証することができた.また,(2)のテーマで構築した方法は,当初計画の3年目に予定している「最適意匠設計法の検討」において中心的な役割をする方法であり,その意味では,3年目の研究を前倒して実施したと考えることもできる. 一方で,当初計画の2年目に予定していた「拡張GANに基づく製品意匠設計法の検討」はまだ情報収集・構想段階であり,3年目に実施する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,(1)拡張GANに基づく製品意匠設計法の検討と,(2)最適意匠設計法の検討を行う.以下に各テーマの概略を記す. (1) 今年度は情報収集・構想段階にとどまったが,次年度は具体的な方法を構築する. (2) 今年度のラフ集合を用いたアンケート支援システムで構築した方法を利用して,最適意匠設計法の構築を行う. また,最終年度である3年目は,多数の被験者を対象とした大規模なアンケートを実施し,一連の研究で構築された方法の有効性を検証する.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,今年度も全ての学会がオンライン開催となったため,旅費が0となったことと,予算の効率的な利用に努めたため,予算の次年度使用額が生じた. 次年度はオンライン開催だけでなく,オンサイト開催の学会も予定されているため,旅費を計上する可能性が高い.加えて,深層学習の計算に必要な計算機の購入および,ケーススタディ実施のための謝金支払いにより,全ての予算を使用する予定である.
|
Research Products
(1 results)