2022 Fiscal Year Research-status Report
Method for aesthetic design based on customer's kansei evaluation using deep learning
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20K12540
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 正和 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40409652)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 感性工学 / 意匠設計 / 深層学習 / ラフ集合 / ファインチューニング / アクティブラーニング / 生成AI |
Outline of Annual Research Achievements |
感性工学の研究分野では,顧客アンケートに基づいて製品デザインと顧客の感性の対応関係を分析し,意匠設計に利用することで,設計者によらずに,顧客の感性的要求を満たす製品デザインを設計することを目指してきた.本研究では,この目標を実現するために,近年様々な分野で利用され,多くの成果を上げている深層学習を導入した創成型意匠設計法の検討を行う.今年度は研究の3年目として,以下の3つの研究テーマを実施した. (1)ファインチューニングやアクティブラーニングなどの深層学習のテクニックを利用した顧客アンケートの負担軽減の研究に関しては,昨年度に引き続きケーススタディを実施し,その有効性を検証した.その結果,ファインチューニングやアクティブラーニングを用いることで,大幅に少ないアンケートで精度の高い学習ができることが分かった. (2)本研究で扱う顧客アンケートは,顧客が製品から受ける印象や選好を評価したものであるが,このような評価を全ての製品に対して正確に行うことは難しい.そして,そのようなアンケートを用いてラフ集合を実行すると,間違った顧客選好が抽出されてしまう.そこで本テーマでは,CNNを用いて収集された顧客アンケートの正しさを推定し,正しいと推定されるアンケートのみを用いてラフ集合を実行することで,正確な顧客選好を抽出できるようにした. (3)潜在拡散モデルに基づく画像生成AIの登場は2022年の大きなトピックの一つである.画像生成AIを用いると,プロンプトと呼ばれるテキストから画像を生成することができる.本テーマでは,画像生成AIと顧客アンケートを組み合わせ,画像生成AIによって生成された製品画像を顧客が評価し,その評価に基づいて製品画像を再生成することで,顧客の選好にあった製品画像が生成できるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,「5.研究実績の概要」に述べたように,3つの研究テーマを実施した.(1)は当初計画の「深層学習を利用した高精度アンケートシステム」に関わる研究であり,構築したシステムの有効性を検証することができた.(2)は当初計画の「最適意匠設計法」に関わる研究であり,あとは最適化手法と組み合わせることで最適意匠設計法が完成する所まで到達することができた.(3)は当初計画の「拡張GANに基づく製品意匠設計法」に関わる研究であるが,GANより高精度で自由度の高い潜在拡散モデルに基づく画像生成AIが登場したため,GANの代わりにこれを用いて製品意匠設計法の構築を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究の最終年度であり,以下の2つの研究を実施する. (1)今年度構築したラフ集合とCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を組み合わせた顧客選好の抽出法と最適化手法を組み合わせることで,当初計画の「最適意匠設計法」を実現する.そして,ケーススタディを実施し,その有効性を検証する. (2)今年度構築した画像生成AIを用いた顧客アンケートに基づく製品画像生成法を発展させ,より顧客の選好にあった製品画像を生成できるようにする.そして,ケーススタディを実施し,その有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
今年度は2つの国際学会に参加したが,1つは国内開催であり,もう1つはサバティカル休暇でデンマークに滞在している間にスペインで開催されたため,申請時の計画よりも旅費を抑えることができた.また,予算の効率的な利用に努めたため,予算の次年度使用額が生じた. 次年度は,海外開催の国際学会への参加と,計算機の購入,ケーススタディ実施のための謝金支払いにより,すべての予算を使用する予定である.
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Research Products
(3 results)