2020 Fiscal Year Research-status Report
記録アーカイブズ・プログラムの構築・検証及びアーキビスト養成に関する基礎研究
| Project/Area Number |
20K12549
|
|---|
| Research Institution | Gakushuin University |
|---|
Principal Investigator |
保坂 裕興 学習院大学, 文学部, 教授 (30219159)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下重 直樹 学習院大学, 文学部, 准教授 (20807820)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 公文書館 / 専門職員 / 公文書管理 / アーカイブズ・プログラム / アーキビスト |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デジタル情報時代における記録アーカイブズ・プログラムの構築・検証のあり方とその専門職たるアーキビストの養成・配置を表裏一組の問題として取り上げるものである。
前者については、法律・規則等及び実際の業務のレベルに立ち入り、その構成、遂行方法及び成果検証のあり方等について情報収集等をおこなうものであった。実際には、①国立公文書館に情報提供いただき、諸外国における国立公文書館の職員数、施設総面積、収集資料の範囲、所蔵資料書架延長等の基本情報を入手して最新の状況を確認するとともに、②国内については、都道府県における公文書管理及び公文書館に関する条例・規程等の収集をおこなった。また、③戦後における国の中央行政官庁に関する公文書管理及びアーカイブズ管理についての規則・細則等の収集に着手し、現在の公文書管理法時代に至る経緯・背景事情を探究する材料を得た。これらによれば、公文書等に関する規程は多くの官庁において戦後初期には着手されず、1950年代後半以降、役所業務の“能率向上”を課題として改善に取り組む事例があることが知られた。
後者については、④都道府県における公文書館等の専門職員数の推移について情報収集のうえ検討し、公文書館職員に占める専門職員の割合が、2008年末に18.1％であったのが、2019年末には13.3％に下落しており、つまり専門職員の配置はむしろ後退傾向にあることが浮かび上がった。アーキビストの育成と配置については、これまで以上に強い方策を検討し、講じていかなければならないことが知られた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年10月に開催予定であった国際アーカイブズ会議（ICA）大会が2023年秋に延期となったため、各国の主要なアーカイブズ学者・アーキビストとの意見・情報交換の機会を得ることができなかった。
また国内についても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現地訪問による調査・研究を進めることができなかった。
これに伴い、基礎的情報収集にやや遅れが生じている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
上述のように当初予定していた研究方法の一部が予定していた期間内では実施できなかったが、インターネット及び図書等刊行物を用いて基礎情報等を収集する方法にウエイトをかけることによりリカバリーにつとめる。
また、zoom等のオンライン・コミュニケーション・ツールを用いるなどして、国内外の研究者を招聘し、研究会・研究集会を実施することを試みる。
|
| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年秋に予定されていた国際アーカイブズ会議（ICA）大会（アブダビ、アラブ首長国連邦）が延期されたほか、国内の公文書館等の現地調査が実施できなかった。
感染拡大の収束状況をみながら、国内外の公文書館等を訪問調査するとともに、関連文献の収集・購入等にあたる。
|
Research Products
(3 results)
