2023 Fiscal Year Research-status Report
AI and Ethics for Children
Project/Area Number |
20K12551
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
浅井 亮子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (40461743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潔 明治大学, 商学部, 専任教授 (70229988)
折戸 洋子 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (70409423)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 情報倫理 / チャイルドケア / 障がい者ケア / デジタル技術 / スウェーデン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はCOVID19感染の世界的な拡がりの影響を受け、当初予定していた研究期間を延長して研究活動に取り組んだ。コロナ禍のために当初予定していた研究調査活動、とりわけ対面での質的調査が難しい状況が続いてきた。しかしながら、調査対象者の属性を若干変更することでケア施設の訪問、ケア施設の利用者への聞き取り調査、またケア施設で働くケアワーカーへのインタビュー調査、あわせてケア施設を管理運営する企業と行政の担当者、さらにケア施設でのデジタル化を推進する担当者へも聞き取り調査を行うことができた。コロナ禍の影響で大きな影響をうけた本研究課題のフィールドワーク調査も、調査手法の調整により現地調査に向けて大きく進展させることができた。一方でそうしたケアを受ける人々を対象とした調査研究では、その倫理的な手法を確保するために公的な機関への申請と調査目的・概要とその調査プロセスに対する審査を必要とする。そのため倫理的調査のための審査結果を受けて本格的な質問調査を行うための準備にも取り組んだ。実際には複数回におよびスウェーデンを訪問し、本研究課題の研究調査での協力をお願いしている人々や機関との研究活動の打ち合わせと調整を重ねた。またすでに実施した聞き取り・インタビュー調査やケア施設への訪問を通じて得た調査結果をもとに、国際会議での研究論文の発表や書籍所収の研究論文を公表することができた。とりわけコロナ禍で外出が困難な期間中に取り組んできた研究課題を支える理論的枠組みや概念の整理といった研究活動と、現地での調査活動の結果とを組み合わせた研究論文の発表ができたことは本研究課題の成果において有意義なものとなった。また本研究課題での研究活動を研究期間終了後も継続し発展させるための準備(具体的には新たな研究助成への応募や研究者ネットワークの拡大等)を積極的に行い今後展開する研究活動の準備も行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響によりこれまでの研究機関において研究計画の変更を余儀なくされてきたが、2023年度は変更後の研究計画にもとづき研究活動を展開することができた。具体的には上記「研究実績の概要」に記述したが、ケア施設への訪問やケア施設利用者およびケアワーカーに対する聞き取り調査を実施し、またデジタル技術をチャイルドケアと高齢者ケアや障がい者ケアと組み合わながら導入活用するケア志向のコミュニティづくりの現場での聞き取り調査をする準備を進めている。また本研究課題の研究分担者たちは子どもという枠組みを超えて人工知能技術やサイボーグ技術がどのように人間活動に影響を与えるかについての研究を積極的に進めてきた。それら研究活動の取り組みを通じて、本研究課題に参加する研究者たちは複数の国際会議での論文発表と論文公表、また書籍の発行と活発に研究活動を展開することができた。こうしたことから本研究課題はコロナ禍による影響を受けながらも、2023年度はおおむね順調に進展したと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の取り組みはほぼ終盤を迎えており、研究期間を延長した次年度は2023年度に準備をしておりまだ実施されていない質的調査を実施する予定である。デジタル技術のケア施設やケア行為における倫理的影響を実際にケアの現場で観察し、当該技術の導入を進める担当者や利用者への聞き取り調査をするものであるが、これに関しては現地研究協力者とともに実施する予定である。またこうした調査結果をもとに国際ジャーナルへの投稿や国際会議での成果報告を行い、本研究課題の目的を完遂するとともに、本研究課題を発展させるための研究課題を新たに立ち上げる準備を進める。
|
Causes of Carryover |
ケア施設でのデジタル技術利用に関する一部未実施な調査活動を次年度に実施するため。
|
Research Products
(14 results)