• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

知的基盤としてのレファレンス情報源の新たな機能構築に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 20K12562
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

杉江 典子  東洋大学, 文学部, 准教授 (50383295)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords図書館 / レファレンスサービス / レファレンス情報源 / 学術出版 / 情報サービス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,知的基盤であるレファレンス情報源の生産というプロセスにおいて,誰がどのような役割をどのようにして担っているか,現在どのような課題を抱えているかを明らかにすること,レファレンス情報源の役割がどのように変わろうとしているのかを検討することを目的としている。
2021年度は,レファレンス情報源の書誌データを得てその出版傾向を分析するために,前年度に国立国会図書館よりxml形式で入手したすべての所蔵資料の書誌データから,1950年以降に日本語で出版された和図書315万7,856点を抽出した。さらに,書誌データに含まれる要素を用いてレファレンスブックにあたる図書を特定するための方法や,可能な範囲を検討した。その結果,特定の種類のレファレンスブックを抽出するためには,件名には国立国会図書館件名標目表(以下NDLSH)を,分類には国立国会図書館分類表(以下NDLC)を使用することした。書誌データの要素として,特定の件名標目あるいは分類記号が付与された図書を抽出するためには,RDFの“dcterms:subject”とその値を用いた。
レファレンスブックの種類には,NDLSHの一般細目として,辞書,索引,書目,年表,用語を使用し,それぞれ15,887点,1,937点,21,268点,1,555点,16,848点のレファレンスブックの書誌データを取得した。NDLCの分類記号として,各主題の下位階層の書誌にあたる分類記号(A111等),辞典・便覧類にあたる分類記号(A112等),日本語百科事典にあたる分類記号UR1を使用した。それぞれ18,504点,15,945点,1,291点のレファレンスブックの書誌データを取得した。これらのレファレンスブックの種類ごとの出版点数と,書誌データに含まれる要素である主題や出版者ごとの集計を行い,調査期間中の出版傾向を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

処理するデータ量が多いため,最も時間がかかり,その方法も手探りで行ってきた国立国会図書館のデータの抽出が無事に終了し,また件名標目と分類記号を用いた抽出も終了した。処理には時間がかかるうえ,処理に間違いがあると修正をするのにも時間がかかるため,ひとまず安心している。2021年度内に研究発表や論文の形まで進められなかったが,分析が概ね終了しているので,2022年度の春には研究発表できる目途も立っている。また,この結果をもとに次の調査の目的や仮説についても検討を始められている。

Strategy for Future Research Activity

2021年度に処理を行った国立国会図書館の全件データには,電子形態の情報源も含まれるため,その抽出も開始している。抽出に使用するタグ等について,まだ検討の余地があり,2022年度も継続する。電子形態の情報源の書誌データは,まとまった形では存在していないことがわかったため,量は限られるが特定主題に範囲を限ってデータを取得することも検討する。2022年度は,それらに基づき,紙媒体のレファレンス情報源がデジタル化の進行にともなってどのように出版傾向を変化させてきたか,またデータベース化や,ウェブでの無料公開,提供形態の多様化などに関する傾向を把握する予定である。さらに,ここまでで得られた結果に基づき,ある程度の仮説を立て,レファレンスブックにかかわるステークホルダーへの調査を設計する。ただし研究計画を立てた時点では,インタビューの実施を念頭に置いていたが,コロナ禍の影響を受ける可能性が高く,調査手法について再検討する必要があると考えている。

Causes of Carryover

アルバイトの雇用時期が遅くなったこと,コロナ禍で学会参加が中止になったことなどによる。アルバイトの雇用を次年度も継続する。また学会へは2022年度には参加できる見通しが立っている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] BLEビーコンにより取得した電波強度に基づく図書館利用者の館内位置推定:機械学習を用いた試み2022

    • Author(s)
      杉江典子
    • Journal Title

      東洋大学人間科学総合研究所紀要

      Volume: 24 Pages: 131-173

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ウェブ上の集合知を応用したマンガ翻訳書誌作成の試み2021

    • Author(s)
      安形輝,大谷康晴,江藤正己,杉江典子,安形麻理,橋詰秋子.
    • Organizer
      第69回日本図書館情報学会研究大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi