2020 Fiscal Year Research-status Report
音声と音楽に対する神経振動帯域間相互作用の解明とその障害
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20K12572
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光藤 崇子 (齊藤崇子) 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70423522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 羊嗣 九州大学, 大学病院, 助教 (90567497)
田村 俊介 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (20883333)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音声・音楽 / 振幅包絡成分 / 時間微細構造 / 周波数間相互作用 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、健常者を対象として①fMRI-EEG同時計測によるγオシレーションの信号源特定、②音声刺激を用いたγオシレーションの計測を実施した。同時計測については、共同研究機関である帆秋病院のMRI(3T, Spectra, Siemens)とfMRIとの同時計測が可能な64ch脳波計(BrainAmp MR, BRAIN PROD)を用いて、40 Hzクリック刺激を聴取している際の脳活動を計測した。実験では、音刺激呈示時にfMRIのスキャンを止める間欠撮像法を用い、音刺激の聴取や刺激に同期する形で生じる神経活動の計測に悪影響を及ぼさないように工夫をした。健常成人9名のデータを解析した。EEGの周波数解析の結果、クリック刺激の頻度(40Hz)に同期したγオシレーションが電極Fzで観察された。同時に計測したfMRIのBOLD信号解析の結果、両側の聴覚野や下前頭回の活動が確認された。音声刺激を用いたEEG実験については、“音声刺激の聴取時にはその基本周波数に同期したオシレーションが生じる”という知見に基づき、男性が発話した音声の基本周波数を80 Hzに固定した分析合成音声(モノトーン音声)を作成し、その刺激を聴取している際の脳活動をEEGで計測した。健常成人15名のデータを収集し、その結果を分析した。分析合成音声刺激の基本周波数に同期したγオシレーションが電極Pzで計測できることが確認できた。現在は、γオシレーションが右半球よりも左半球優位で生じていることを確かめるためにEEGデータの信号源分析やMEGを用いた実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳内で生じるオシレーションの正確な脳内信号源を特定するためのfMRIとEEGの同時計測と間欠撮像法を組み合わせた実験を実施し、その正確さを確認できた。今後同様の方法によって音声・音楽刺激を用いた実験を継続していくことが可能である。また、発話音声の基本周波数を80 Hzに固定した分析合成音声(モノトーン音声)を作成し、その刺激を聴取している際の脳活動をEEGで計測した結果、分析合成音声刺激の基本周波数に同期したγオシレーションが電極Pzで計測できることが確認できた。今後この音声刺激とピッチを変えた音刺激とを組み合わせることによって音声・音楽聴取時の脳内の周波数間交互作用を検討することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
音声・音楽刺激聴取時の脳内の周波数間交互作用とその信号源の推定のため、fMRI-EEG同時計測およびEEGでの実験を継続する。さらに、より詳細な信号源推定のために実験データの追加やMEGを用いた実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により予定していた出張費等の支出が見込めなかったため。
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