2021 Fiscal Year Research-status Report
音声と音楽に対する神経振動帯域間相互作用の解明とその障害
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20K12572
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光藤 崇子 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(RPD) (70423522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 羊嗣 九州大学, 大学病院, 講師 (90567497)
田村 俊介 九州大学, 医学研究院, 特任助教 (20883333)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音声・音楽 / 振幅包絡成分 / 時間微細構造 / 周波数間相互作用 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
音声信号や音楽信号には様々な速さの時間変動成分が含まれており、それらを正しく知覚するためには複数の時間変動成分の情報を瞬時に抽出し統合することが重要である。また、音声や音楽を聴取する際にも音の時間変動成分に同期して生じる様々な周波数帯域の神経振動が起こることが知られており、これまで個々の神経振動と音声・音楽知覚の関連が調べられている。しかしながら、複数の帯域の神経振動がどのように相互作用し、音声・音楽知覚に貢献するのかについての知見はほとんど存在しない。本研究では、空間分解能に優れるfMRIと時間分解能に優れる脳磁図を組み合わせ、音声・音楽刺激聴取中の神経振動の帯域間相互作用を解析することで、聴覚時間情報処理に係る脳内機構を解明する。令和3年度は、健常者を対象として音声・音楽刺激の持つ時間微細構造と振幅包絡成分に同期する神経振動とそれらの相互作用を脳磁図(MEG)を用いて計測した。また同一参加者のMRIを撮像し、脳磁図で得られた脳活動の電流源を推定することで神経活動源を検証した。実験では、26名の参加者に対し、ピッチのみで構成される刺激、音声のみで構成される刺激、ピッチに音声を付した音声・音楽合成刺激を提示し、脳磁図を計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳内で生じるオシレーションの正確な脳内信号源を特定するためのMEG実験を実施し、十分なデータ数を集めることができた。今後この刺激を用いて統合失調症の患者群のデータを収集することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
音の速い時間変動に同期して生じる神経振動に異常が生じるとされる統合失調症患者における音声・音楽刺激聴取時の神経活動及び知覚処理を調べることにより、二つの時間変動成分の相互関係をより詳細に検証する。
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Causes of Carryover |
年度末に予定していたMEG検査が実施できなかったため。
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Research Products
(8 results)