2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K12583
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
眞田 尚久 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40711007)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 事象関連電位 / 視聴覚統合 / 視覚運動 / 最尤推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、聴覚誘発性視覚運動知覚が起こっている時の脳活動を計測し感覚情報の脳内メカニズムを明らかにすることを目的とし,人の心理実験と脳波測定,及び多感覚統合モデルによる検証を行った.研究期間内に主に3つの課題に取り組んだ.一つは視聴覚同時呈示を行った際に,視覚運動弁別が聴覚刺激によって受ける影響を,心理物理実験により検証した.さらに,課題遂行中に定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の計測を行い,聴覚刺激によるSSVEPの振幅変調を検証した.その結果,一部の脳波電極から,聴覚刺激による脳波への影響が確認できた.二つ目の課題として,視聴覚同時呈示を行い,両感覚の知覚判断の時間差の測定を行った.多感覚入力が脳内で処理され,知覚が生じるタイミングは通常差はないと考えられるが,両感覚間の信頼性が下がると,知覚時間差が大きくなると考えられる.調整法により被験者に知覚時間差を合わせる実験を行った結果,20-30msの知覚時間差があることが明らかになった.最後に,視運動方向の知覚判断への聴覚運動の影響を,感覚統合モデル(最尤推定モデル)で説明できるかを検証した.その結果,複数の被験者でモデルによる推定ができたが,モデルによる予測は実際の知覚判断よりも過小評価することが分かった.
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