2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the mechanism of phenomena that do not notice the mistake of one's own action and its age-related changes
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20K12585
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Research Institution | Jikei University of Health Care Sciences |
Principal Investigator |
石松 一真 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (30399505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 孝恒 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70221942)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知的制御 / メタ認知 / 認知的加齢 / ヒューマンエラー / ミステイク / スリップ |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活を円滑に送るためには、意図に反した行為(誤り)を予防するとともに、誤りを素早く検出し、行為を柔軟に修正することが必要となる。本研究は、行為の意図と行為の結果との間に生じたミスマッチの原因を自己以外に帰属し得る状況において、自己の行為の誤りに気づかない現象が生じるメカニズムの解明を目指すものである。 自己の行為の誤りに気づかない現象の特徴のひとつは、行為の意図と行為の結果との間にミスマッチが生じたことを示す情報はフィードバックされているものの、ミスマッチの原因を自己に帰属できなかったため、自己の行為の誤りに気づくことができず、行為を修正する機会を逸し、望ましくない結果にいたる点にある。そこで本研究では、1) 個人要因、2) 課題要因、3) 個人要因と課題要因のインタラクションの影響に関する3つのサブテーマを設定した。 2021年度に続き、本年度も新型コロナウイルス感染症感染拡大予防のため、学内での実験実施が難しい状況となった。そのため、当初の研究実施計画通りに実験を進めることができなかった。そこで、関連課題を用いて行った実験データを認知的制御という視点から再分析を試みた。またヒューマンエラーという観点から研究課題を再整理し、本研究課題の医療場面への還元を試みた。これらの成果の一部は医療安全実践教育研究会第10回学術集会等で報告した。その他、可能な範囲で予備実験を実施するとともに、研究計画変更等に伴う補助事業期間の延長を行うため、補助事業期間延長承認申請書を提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、1) 個人要因、2) 課題要因、3) 個人要因と課題要因のインタラクションの影響に関する実験を順次実施する予定であった。まず、1) 個人要因の影響を検討するため、能力の自己評価の影響(実験1)、帰属スタイル(Locus of Control: 内的帰属 or 外的帰属)の影響(実験2)、行為のモニタリング能力の影響(実験3)を検討するための実験を行い、その後、2) 課題要因の影響を検討するための実験を実施する予定であった。しかし、2021年度に続き、新型コロナウイルス感染症感染拡大予防のため、学内での実験実施が難しい状況であった。そのため、当初の研究実施計画通りに実験を進めることができなかった。そこで、実験実施計画等を見直し、補助事業期間延長承認申請書を提出した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、学外からの実験参加者を対象とした実験を学内で実施できる状況になるため、速やかに実験を開始する。まず1) 個人要因の影響を検討するための3つの実験を実施する。その後、2021年度に予定していた2) 課題要因の影響を検討するための3つの実験を進めていく。課題要因として、行為の意図と行為の結果とのミスマッチの発生頻度、時間的制約(タイムプレッシャー)、課題難易度を操作する。各実験、若年層18名、高齢層18名を対象とする予定である。また当初計画では、1)個人要因の影響、2) 課題要因の影響に関する実験では若年層と高齢層を対象とし、3) 個人要因と課題要因のインタラクションによる影響に関する実験では若年層、中年層(40・50歳代)、高齢層を対象にする予定であったが、1) 個人要因の影響、2) 課題要因の影響に関する実験においても、可能な範囲で中年層を対象に加えることを考えている。
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Causes of Carryover |
2022年度は、2021年度に続き、新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ため、学外から実験参加者をよび、学内で実験を実施することが難しい状況であった。当初の計画通りに研究を進めることができなかったため、研究期間延長申請を行い、実験参加者および実験補助者への謝金等は次年度に繰り越すこととなった。 2023年度の研究費使用計画としては、まず1) 個人要因の影響を検討するため、3つの実験を行う。次に、2) 課題要因の影響を検討するため、3つの実験を進めていく。各実験、若年層 (20・30歳代)18名、高齢層(60・70歳代)18名を主な対象とするが、可能な範囲で中年層を対象に加えることを考えている。 上記の研究実施計画に従い、実験参加者および実験補助者に対して謝金等を支出する。
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Research Products
(4 results)