2020 Fiscal Year Research-status Report
血管化腎臓オルガノイドのex vivo再構成と灌流による機能の再現
Project/Area Number |
20K12602
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
花田 三四郎 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 特任講師 (40516811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管化 / 腎オルガノイド / 灌流システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血流や間質流を模した微小流体オンチップ灌流システムを用い、腎ネフロンオルガノイドの血管化を試みる。(1)腎オルガノイド内への血管化、(2)外部血管との連結、(3)本評価系プラットフォームを用いた薬剤の安全性評価、といった項目を段階的にクリアすることで、ex vivoで腎機能再現することを目標としている。 2020年度は、(1)を目標としていたが、申請者の転出とコロナ禍の影響により、細胞リソースなどの継続的な供給が困難になったため、新たな腎オルガノイドの作製を試みることとし、腎細胞のスフェロイド形成とオンチップ血管網モデルの作製を個別に実施しし、血管化腎オルガノイド作成のための主たる基盤技術の整備を行った。 ヒト初代近位尿細管上皮細胞(RPTEC)を研究室独自のメチルセルロース法を用いてスフェロイド形成し、いくつかの輸送体について培養1週間で平面培養に比べて遺伝子発現レベルでの亢進が見られた。このスフェロイドを気液界面培養系で培養したところ一部管状の構造体が見られた。また、これらのスフェロイドを共焦点イメージングシステム下でホールマウント蛍光染色により観察する実験系を確立した。 また、オンチップ血管灌流デバイスについては、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を用いた微小流体デバイスを用いた血管網モデルを、これまでと異なるベンダーのHUVECを用いて作製を試みたところ、これまで同様の管腔を有する血管網作製に成功した。また、この血管デバイスを用いてマイクロシリンジポンプによる灌流培養系を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の転出とコロナ禍の影響により、細胞等のリソースの継続的な供給が困難になった。 そのため、新たな腎オルガノイドモデルとして、今回ヒト初代腎細胞を用いてスフェロイドを作製し評価する必要が出てきた。その評価に時間がかかっている。初代腎細胞を用いても形態形成の可能性が見られたことから、次年度は、糸球体上皮細胞を加えたオルガノイドを作製し、微小流体デバイスに搭載可能な培養モデルとすることを目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな腎オルガノイドとして、ヒト尿細管上皮細胞と糸球体上皮細胞によるオルガノイドを新たに提示する。そのための機能と組織学的評価を実施する。 血管化デバイスについては、腎オルガノイドの作製に時間がかかることを考慮し、マウス胎生腎を用いて灌流による血管化の最適化に取り組む。
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Causes of Carryover |
コロナ禍より研究の進捗が遅れ、購入予定のヒト細胞(20万円 x 2)や実験関連消耗品(60万円)について、次年度に繰り越した。 また、既存の試薬、備品などが有効活用できることが分かり、研究費の使用が効率化された。
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Research Products
(1 results)