2022 Fiscal Year Annual Research Report
血管化腎臓オルガノイドのex vivo再構成と灌流による機能の再現
Project/Area Number |
20K12602
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
花田 三四郎 群馬パース大学, 医療技術学部, 准教授 (40516811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織血管化 / 灌流システム / 腎オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血流や間質流を模した血管デバイスを基盤に、腎ネフロンオルガノイドの血管化を目標とした。(1)腎オルガノイド内への血管化、(2)外部血管との連結、(3)本評価系プラットフォームを用いた薬剤の安全性評価、といった項目を段階的にクリアすることで、ex vivoで腎機能再現することを戦略とした。2022年度は、商用のヒト糸球体上皮細胞(細胞G)はヒト近位尿細管上皮細胞(細胞P)の2種細胞で構成されたヘテロ腎スフェロイドにHUVECを用いて血管内皮細胞(細胞E)を加えたスフェロイドの作製を試みた。細胞GPEが単純にブレンドされた三次元凝集体では、レクチン陽性の血管内皮細胞に明確な血管構造は見られなかった。そこで、培養液の調整及び細胞外基質を充填を試みたところ、組織内に血管構造が確認された。次に、(2)について、簡便な三次元血管網を細胞Eにより作成し、(1)を移植した。しかしながら、灌流条件あり・なしとも1週間の培養において、三次元凝集体のさらなる組織化は観察されなかった。本研究課題では、腎オルガノイドを商用の初代腎細胞から構築し、構築した血管灌流システムを用いて外部血管の連結を試みた。結果として、糸球体血管の形成などの高度な血管組織の構築には至らなかった。関連研究において、マウス腎組織と外部血管の共培養では血管新生が誘導されることが確認されており、オルガノイドの質を高める本課題実現のカギと思われるため、今後の検討課題としたい。
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