2022 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated organoid system with mature vascular network and long-term perfusion
Project/Area Number |
20K12608
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
二井 信行 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (10508378)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管新生 / マイクロ流体 / リモデリング / 長期灌流培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞は,血管新生とリモデリングの長期間の過程を経て毛細血管構造を形成する.これらのプロセスを生体外で再現できれば,再生医療,特に移植可能 な厚みのある組織を人工的につくり出すことに貢献できる.また,血管新生を適切に制御するためには流れの寄与が大きいことは知られているが,これを実験的に明確に示すことは簡単ではなかった. そこで,我々は,点字デバイスにより動的に灌流条件を変化させられるマイクロ灌流デバイスに,フィブリンゲル内3D培養を組み合わせて,成熟した管腔をin vitro再現した.また,これら管腔構造の時間発展のデータから,血管新生と流れの関係を実験的に得ることを試みた. まず,アナログ波形(定流量波形)による点字デバイス駆動を用いて,3つのピンからなるポンプを位相を変えて駆動することで,逆流を完全に抑止し,脈流も約70%低下させることができた.また,血管内皮細胞を含むゲルの上流と下流で圧力差を生じる流路を用い,間質流の大きさを変えて管腔形成に与える影響を調べた.その結果,上流で管腔構造が崩れるように細胞が移動する現象比較的再現性よく観察できた.この結果を受けて,管腔が開通するまでは一定期間ごとに間質流の上流・下流を交互に切り替え,管腔開通後には灌流の方向をその管腔を直接貫通するように切り替えることで,40日を超える管腔構造の培養と,成熟したネットワークをもつ管腔構造維持を再現性良く実現することができた.また,培養中の細胞を蛍光染色することなく得られる明視野顕微鏡像を深層学習を用いてセグメンテーションすることで管腔構造を得て,それに数値流体シミュレーションを組み合わせることで,管腔形状の変化と壁せん断力との関係を明らかにする方法を確立した.
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Research Products
(4 results)