2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a pulatile VAD having a valve mimicking aortic valve
Project/Area Number |
20K12611
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
白井 敦 近畿大学, 工学部, 教授 (20302226)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 振動型ポンプ / LVAD / 逆止弁 / 流体回路 / ポンプ特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,ポンプシステムを構築するとともに大動脈弁を模擬した逆止弁(以下,試作弁)を作成し,送液効果を確認した.しかし,このポンプシステムは部品強度の関係で長時間の実験に耐えられなかったため,令和3年度に振動管の駆動機構を変更したシステムを新規設計した. 令和4年度はこれを用いて試験用流体回路を構築し,試作弁と従来の振動型ポンプに用いられてきたJellyfish弁を用いて,加振周波数fを5~30Hzと変化させた場合のポンプ特性を計測した.ここで,ポンプ負荷を種々に変化させて両端圧力差とポンプ吐出流量を計測した結果,圧力差,流量ともに,試作弁はjellyfish弁より高い値を示した.しかし,fに対するポンプP-Q曲線の変化を見ると,圧力差,流量ともに最大となるfが存在すること,各fでの最大流量が過去の文献における理論値の約2倍となることが明らかになった.そこで,ハイスピードビデオカメラを用いて試作弁の開閉タイミングを計測したところ,高fの領域で文献で示された送液メカニズムと一致しないことが明らかになった.その原因として,防振フランジに用いたジョイントブーツの容積変化と,配管の流路抵抗が考えられ,今後これらの影響の定量評価および低減が必要である. また,上記試作弁は弁膜にシリコーンゴムシートを用いており,弁膜の形成や弁座との接着が困難であった.そこで,令和4年度は,厚さ0.3mmのポリ塩化ビニル(PVC)シート,ポリエチレン(PE)シート,ポリウレタン(PU)シートを用いて,真空成形による弁膜の一体成形を試みた.3Dプリンタで作成した鋳型を基に真空成形して開口部をカッターで切開することで弁膜を作成し,ABS樹脂製の弁座に接着固定することで弁を作成した.これらを用いて送液実験を行ったところ,送液量と強度の面からPUが最も適していることが示された.
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