2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K12620
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
秀島 翔 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (10580433)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電気化学バイオセンサ / 垂直配向膜 / 無機ナノシート / 多孔質電極 / 表面修飾 / 物質拡散性 / 比表面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、垂直配向無機ナノシート電極へのアミノ基末端有機分子の修飾および受容体分子の固定化を行い、作製した電極のタンパク質検出能を評価した。まず、本研究で用いた無機ナノシート(MXene)表面にアミノ基末端有機分子が導入されたことをゼータ電位測定や分光測定等により確認した。続いて、カルボジイミド架橋剤を介して抗体を固定化した垂直配向電極と水平配向電極を用いて、タンパク質反応後の電流応答の変化量を測定することで、配向性の違いによるタンパク質検出性能の違いを評価した。今年度は分子量16 KDaのタンパク質をモデルとして選定した。垂直配向電極と水平配向電極はともに、抗体修飾後、およびタンパク質と反応後にそれぞれ、電解液中に存在するレドックスプローブの酸化還元反応に伴う電流が減少した。このことは抗体固定化および抗原の特異的吸着により、同プローブの酸化還元反応が可能である反応場が減少したことに起因すると考えた。また、垂直配向電極は水平配向電極と比較してタンパク質添加に伴う電流値の減少量が大きいことが確認されたことから、高い物質拡散性を有していることが示唆された。また、垂直配向電極と水平配向電極について、電気化学活性表面積やアミノ基修飾量の違いを評価した。さらに、受容体としてレクチンを固定化した界面が幹細胞評価に係るバイオマーカーと相互作用を示すことを確認し、レクチン固定化電荷検出型バイオセンサを用いた同バイオマーカーの検出を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多孔質の垂直配向ナノシート電極への受容体の固定化に成功し、タンパク質添加に伴う電流応答変化が水平配向電極と比較して大きいことが確認できた。また、ナノシート電極の電気化学活性表面積やアミノ基修飾量の評価を通じて、垂直配向電極の有用性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
レクチン固定化界面を具備したバイオ電極を作製し、幹細胞評価バイオマーカーの検出を試みる。また、垂直配向ナノシート電極の膜厚や細孔サイズの制御がセンサ応答に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため学会等の出張がなくなり、旅費の支出が少なくなった。研究開発を加速することで新たに必要となる試薬や分析用消耗品、試薬調製用器具、実験機器の購入をあて、また論文投稿に係る経費として使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)