2020 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement and mechanical modeling of cellular nano-actuator responsible for cell invasion
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20K12622
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 翼 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (50638707)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 細胞-基質間接着 / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がん細胞などが組織内に浸潤する際に形成される細胞小器官のナノスケールでの三次元形状を個々の構成要素構造タンパク質の局在位置や個数、および滞在間の計測とともに明らかにする。かつ力学解析によってその細胞内荷重支持構造物としての機能 - 具体的には、構成要素を通してアクチン細胞骨格を突出させたときに生じる細胞外基質からの荷重をポドソーム構造物全体に分配し、 動的安定を保ちつつその機能を果たすことができるか - を定量的に評価する。 研究初年度においては、主にポドソーム構造を可視化するためのサンプル作りとその評価を行った。ポドソームを構成する構造タンパク質と蛍光タンパク質の遺伝子が融合した遺伝子を発現するプラスミドベクターの構築を行った。効率よく実験を進めるために、ポドソーム研究でよく用いられているラット胎生血管平滑筋株A7r5細胞株に対してプラスミドベクターをリポフェクション法により遺伝子導入し、抗生物質による選択を行うことで安定発現株を樹立した。上記と並行して、蛍光タンパク質標識したポドソーム構成タンパク質を一過性発現させた細胞に対して、共焦点レーザー顕微鏡を用いた光褪色後蛍光回復法(FRAP法)で構造タンパク質の分子交換速度(滞在・結合時間)の計測を行った。その結果、タンパク質によって異なる分子交換速度を有していることを確認した。 今後、原子間力顕微鏡によるポドソーム構造の高解像度イメージング、構造タンパク質の変異体を用いてポドソームの動的構造調節機構の解明、これらの結果を合わせて力学的な説明を行う予定であったが、研究代表者の転職に伴う科研費申請資格喪失のため研究初年度でもって本課題を廃止とする。
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Research Products
(1 results)