2022 Fiscal Year Research-status Report
立位姿勢制御における前庭覚の役割を段階的・定量的に解明する新規な評価法の開発
Project/Area Number |
20K12628
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
常盤 達司 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (00636219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 立位姿勢制御 / 音刺激 / めまい・ふらつき |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,立位姿勢制御における前庭覚の役割を段階的・定量的に解明することを目指し,音入力を用いた前庭覚機能及び立位姿勢制御機能の新たな評価法を提案・開発することを目的としている. 本研究は,以下に示す主に4つの段階から構成されている.つまり,1)強大音呈示システムの構築,2)刺激音の周波数ならびに音圧の校正,3)校正された強大音を用いた前庭誘発筋電位の計測,4)校正された強大音を用いた重心動揺並びに脳活動の計測である. これまで,実験に使用する刺激呈示システムを構築し校正された強大音を用いた前庭誘発筋電位の計測を主に実施した.依然として前庭誘発筋電位の再現性に問題があるので,研究協力者のアドバイスを受けながら音の物理量の調整や,呈示方法の検討,筋電図の計測方法など更なる改良を予定している. 一方,本研究を遂行する中で新たな音刺激として指向性のある音に着目し上記研究と平行して実験を実施した.具体的には,閉眼,ラバーシート(ヒトの体性感覚を攪乱するために使用)上で立位姿勢を保持させた条件にて,指向性のある音が呈示可能なパラメトリックスピーカから呈示されたホワイトノイズが,重心動揺に及ぼす影響を調査した.結果として,指向性のある音は,重心動揺の代表的な評価指標である重心動揺軌跡長を有意に減少させることが示された.この結果は,当初の計画には含まれない内容であったが,今後の研究発展への見通しを得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用する刺激呈示システムを構築し校正された強大音を用いた前庭誘発筋電位の計測を主に実施した.依然として前庭誘発筋電位の再現性に問題があるので,研究協力者のアドバイスを受けながら音の物理量の調整や,呈示方法の検討,筋電図の計測方法など更なる改良を予定している.
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Strategy for Future Research Activity |
立位姿勢制御における前庭覚の役割を段階的に評価するために,最終年度では,呈示音により誘発される前庭誘発筋電位を定量的に計測・評価できる手技を修得しつつ,呈示音が重心動揺や脳活動に与える影響を精査する.さらに,研究成果を広く公表するために,学会参加や学術論文執筆をおこなう.
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Causes of Carryover |
引き続き追加実験を実施する計画を立てたため次年度使用額が生じた.次年度は,追加実験を遂行しつつ,研究成果を広く公開するために,学会発表並びに学術論文誌への投稿を目指す.
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Research Products
(3 results)