2020 Fiscal Year Research-status Report
Innovation of age-related macular disease treatment by a scalable DDS platform
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20K12640
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 展裕 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30400039)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光硬化性樹脂 / 加齢黄斑変性 / 徐放 / デバイス / 後眼部 / 網膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、後眼部に容易に着脱可能で長期間持続的に薬剤投与が可能な薬剤徐放デバイスを開発し、眼内侵襲をなくした安全で確実な治療法を開発することを目的とした。1年目は、従来のVEGF阻害薬とは異なる作用機序を持ち、長期の徐放化に向いている低分子化合物として、5種類の候補薬の徐放化を検討した。基材は光硬化性樹脂のトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDM)とポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDM)を使用した。この2種類の光硬化性樹脂の組成比をTEGDM:PEGDM=20:80から60:40まで調整したプレポリマーと薬物を混合して、専用に鋳型にキャストして紫外線照射で硬化してデバイスを作成した。その結果、TEGDM:PEGDMの組成によって、各候補薬物の放出性を様々にコントロールすることができることがわかった。PEGDM比が高いほど放出が早くなる傾向を示した。また、放出性のバラつきも大きくなる傾向があった。最も放出を抑制できる条件では、6か月間以上にわたって放出が継続していた。また、2剤を同時に搭載できる徐放デバイスプラットフォームを用いて、2剤の同時徐放を検討した。その結果、脂溶性が近い候補薬を組み合わせることで2剤同時に放出する徐放デバイスを作成することができた。今後は、デバイスを40℃(湿度85%)下に6か月間保管後に放出性を維持しているかどうかの保存安定性を検討する。安定性が低下する場合は基材の組成変更を行う。また、放出された薬物の薬効をIn vitro細胞培養試験で確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していた5種類の候補薬物の徐放条件を確立し、2剤徐放化についても一部の薬物で条件を確立した。眼内動態試験については実施ができなかったため、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットまたはウサギを用いて、1年目で確立した徐放デバイスの眼内薬物到達性を評価する。ラットで薬物の検出が難しい場合は、ウサギを用いて検討する。放出された薬物の薬効試験は、まずIn vitro細胞培養試験で薬効を確認する。薬効が確認できたら動物実験で薬効を確認する。
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Causes of Carryover |
動物実験を実施できなかったため、動物実験に関連する消耗品費を使用しなかった。次年度に繰り越して使用する。
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