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2021 Fiscal Year Research-status Report

Treatment of chronic arterial occlusion with biodegradable nanoparticles encapsulating anti-miRNA oligonucleotides

Research Project

Project/Area Number 20K12654
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

石原 務  日本大学, 工学部, 教授 (70349554)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords核酸医薬 / miRNA / ナノ粒子 / 血管新生 / AMO
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、血管新生を誘導するアンチmiRNAオリゴ核酸(AMO)を封入したナノ粒子を作製し、下肢慢性動脈閉塞症の治療を目指す。本年度は、血管新生を誘導可能なAMOをスクリーニングするため、培養細胞を用いた試験を実施した。まず、文献調査により血管新生を抑制する働きをもつ9種類のmiRNAを選別した。それらに相補的なS化DNAあるいはLNAをAMOとして用い、2つの細胞試験に供した。1つ目は、HUEhT細胞(不死化ヒト臍帯静脈内皮細胞)を用いた創傷治癒アッセイである。miRNA-100やmiRNA-221に対するS化DNAでは細胞の遊走がほとんどみられなかったが、miRNA-92aに対するものでは顕著な遊走がみとめられた。さらに、HUEhT細胞のチューブ形成能を評価したところ、miRNA-92aに対するS化DNAが細胞同士のネットワーク形成を強く促進していた。また、LNAの方がS化DNAより高い効果を示すことも明らかになった。
次に、AMOなどのオリゴ核酸を封入したポリ乳酸(PLA)からなるナノ粒子をO/W型溶媒拡散法により作製した。PLAとしては、D,L体で重量平均分子量が約7000のものを用いた。ナノ粒子内へのオリゴ核酸の最大封入率は、約1%だった。ナノ粒子を37℃でインキュベートし、ナノ粒子からのオリゴ核酸放出挙動を解析したところ、約25%が数日内に放出されたが、その後50日にわたり徐放出された。これは、初期にはナノ粒子表面近傍に局在していたオリゴ核酸が拡散放出され、その後はPLAの加水分解に伴い内部のオリゴ核酸が放出されたためと考えられる。さらに、このナノ粒子は、ほとんど細胞傷害性を示さないこともわかった。以上より、本年度は、培養細胞での試験から血管新生を有意に誘導できるAMOの種類及び配列を見出し、さらにAMOを封入した最適なナノ粒子の規格を決定することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

血管新生に関する培養細胞の試験により、本年度実施予定であったAMOのスクリーニングを完了できた。さらに、オリゴ核酸のナノ粒子からの放出挙動解析、及び、ナノ粒子の細胞毒性評価を予定どおり実施し、ナノ粒子の規格を決定することができた。しかしながら、ナノ粒子の規格決定に時間を要したため、血管新生に関わる遺伝子の発現評価、及び、AMO封入ナノ粒子を用いた細胞試験は実施できなかった。
よって、進行は予定よりやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、規格化したナノ粒子を用い、培養細胞での遺伝子発現及び薬理効果評価をおこなう。AMO封入ナノ粒子をHUEhT細胞に取り込ませ、創傷治癒アッセイ及びチューブ形成能アッセイにより血管新生能を評価する。さらに、血管新生に関わる遺伝子(VEGFやFGFなど増殖因子と受容体、Angiopoietin、MMPなど)の発現をELISAなどで評価する。培養細胞にて良好な結果が得られれば、下肢虚血モデル動物を用いた試験に進む。モデル動物はBALB/cマウスの一側の大腿動脈を遠位部と近位部で結紮し二点間の動脈を剥離することで作製する。このモデル動物に、蛍光ラベルAMOを封入したナノ粒子を筋肉内投与した後、組織切片を作製する。その際、CD31抗体により内皮細胞を染色することで、ナノ粒子の分布と残留性を評価する。さらに、AMO封入ナノ粒子を投与し、虚血肢の目視によるスコア化及びレーザードップラー血流計による血流量測定により薬理効果を評価する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Biodegradable polymer nanoparticles for drug delivery2022

    • Author(s)
      石原務
    • Organizer
      2021年度化学系学協会東北大会
    • Invited
  • [Presentation] ペプチドを表面に修飾した機能性ポリ乳酸ナノ粒子の作製2022

    • Author(s)
      室野井実紀、宮下侑子、伊藤悟、安田京磨、石原務
    • Organizer
      2021年度化学系学協会東北大会

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Published: 2022-12-28  

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