2022 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用の自動血圧計に実装する動脈硬化早期診断装置の開発
Project/Area Number |
20K12666
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮城 英毅 名古屋大学, 医学部附属病院, 研究員 (10745318)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管機能 / 血管拡張 / FMD / 医療機器開発 / 医工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病は、早期治療で対応するしかなく決定的な治療法がない。生活習慣病と同時に進行する動脈硬化の早期発見には血管機能検査は有効であるが、医療機関を受診して検査する必要がある。そのため、本来期待する未病者への生活習慣の改善や予防には繋げられていない。そこで、一般家庭でも使用できる自動血圧計に血管機能検査を実装し、動脈硬化を見える化できる計測技術の確立を目指した。 初年度、2年目は装置開発に注力して試作機の制作と改良を行った。最終年度となる今年度は、開発した試作機の計測値の妥当性について検証を行った。対象は、70名(男47,女23)、平均年齢61±17歳(rage22-90)。すべての被験者において血圧および血管機能計測は可能であった。平均収縮期血圧(mmHg)および拡張期血圧は、試作機および聴診法(従来法)で、140±23 vs 138±23,p=0.61 (試作機 vs 聴診法,p値)、73±19 vs 72±11, p=0.68 であった。従来法と強い相関が認められており、独自アルゴリズムによる計測技術は概ね評価できた。血管機能を示す血管拡張能(%)(血管閉塞後の再灌流における血管拡張率を算出)は、9.4±5.8(1.5-24.9)であった。男女間では血圧の差は認められなかったが、血管機能のにおいては有意な差(男性 7.9±4.2 vs 女性 10.6±6.7, p<0.05)が認められた。また、年齢や血圧、血管機能においては差が認められなかった。検者内再現性においては、血圧値、血管機能において相関が認められており、計測値の信頼性は概ね確認できた。一方、脈波計測時に揺らぎや雑音による誤差が確認できたため今後の課題とした。 全体を通して基盤技術となる装置開発と機能評価が行えた。今後は、精度向上に向けた改良や動脈硬化因子との関連性について検討を行う予定である。
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