2020 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋環境に対する音響学的識別指標の創生:健康寿命延伸へ向けた技術開発
Project/Area Number |
20K12676
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
丸山 紀史 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90375642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 憲司 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (10572985)
山口 匡 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (40334172)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋 / インピーダンス / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、培養細胞における音響学的特性について検討した。 1) 細胞培養:マウス筋芽細胞とヒト筋芽細胞を35mmのDISH(40,000-80,000/dish)にて培養した。また比較対照としてHuh7についても同様の条件下で培養した。 2) 音響計測:超音波顕微鏡(250MHz)を使用し、37℃、CO2濃度5%の条件下で行った。全体像の観察は、1200μm*1200μm(4μm/pixel)とし、測定箇所については300μm*300μm(1μm/pixel)とした。また量子化ビット8bit、サンプリング周波数2GHzとし、DISH上の複数点で各種パラメータ(音速、減衰、インピーダンス)を計測した。 成績:(1)インピーダンスは安定した計測が可能であった。一方、音速と減衰については、DISH上のサンプル厚が極めて薄いことから安定した計測は困難であった。計測条件の設定については引き続き検討を続けるが、筋肉組織の評価に対する適切な音響因子はインピーダンスであった。(2)マウス筋芽細胞とHuh7のインピーダンスは、同一日、同一箇所における複数回の計測値には有意差を認めず、計測の再現性が示された。 (3)筋芽細胞とHuh7との比較検討のため、同時期に同環境下で培養した両細胞において、Day1からDay5の各日時でインピーダンスを計測した。全ての日において、インピーダンスは、Huh7よりマウス筋芽細胞において有意に低値であり、ヒト筋芽細胞ではさらに低値であった。(4)経時的なインピーダンスの推移については、筋芽細胞とHuh7においてDay1からDay5にかけて有意な変動を認めなかった。 以上の結果から、筋芽細胞ではインピーダンスは再現性や分化非依存性を認め、筋肉評価のために有用な音響パラメータであることが示された。また筋芽細胞は、Huhに比べて低いインピーダンスを特徴とすることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
サルコペニアモデルとして高血圧自然発症ラット、STAMマウスとコントロールを用い、筋肉における各種画像所見(CT、超音波)と音響特性(摘出直後、薄切標本)、病理組織所見との対応を検討する。
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