2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method to prevent recurrence of cerebral infarction with noninvasive ultrasound
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20K12679
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
澤口 能一 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (20735477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博之 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (10433210)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血栓 / 血栓症予防 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究において、非侵襲的な音響強度の超音波により血栓の形成を抑制できることを明らかとしてきた。しかしながら、これまでの研究では血管のような流れがない条件での研究成果であり、血流存在下における超音波の血栓形成抑制効果を明らかとすることが重要な課題であった。そこで、本検討ではヒト血漿を用いたフローモデルを構築し、これまでの検討と同様に非侵襲的音響強度の超音波により、血栓の形成を抑制することが可能であるか検討を行った。 血栓は、一般に血流が滞留しやすい箇所に形成されるため、本検討のフローモデルでは血栓を形成させやすくするための工夫として、フローモデルの回路内に1カ所接続部を作製することで、血流が滞留しやすい箇所を作製した。この接続部へ超音波を照射することで血栓の形成を抑制することが可能であるか検討を行った。 その結果、このフローモデルでは回路内の接続部を起点として血栓が形成され、1時間循環させると回路がつまり、完全に血流が停止してしまった。一方で、超音波を分岐部に照射した群においては1時間の循環の間、血流が停止することはなかった。 本検討により、血流の存在下においても超音波により血栓の形成を顕著に抑制できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の検討課題としては“ヒト血小板含有血栓成長モデル”を用いた超音波による血栓形成抑制効果の検討および最適な照射条件について検討を行う予定であった。本検討では、本学で実施される採血実習に伴い、最終的に破棄されるヒト血液を使用して研究を行うはずであったが、緊急事態宣言の発令に伴い採血を伴うほとんどの実習が中止となってしまったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は計画通りの研究ができなかった分、予備実験は本年度の準備にも時間を使った。そのため、今年度も緊急事態宣言の発令に伴い、採血を伴う実習も一部制限されているが、昨年のような極端な制限ではないため昨年の遅れを取り戻せる見込みである。 また、最終年度の実験計画である動物実験の準備も進めているため、もしヒト血液を使用する研究が実施できない状況になった際には、動物実験を前倒して実施し、最終年度までに帳尻を合わせて研究成果を報告する予定である。
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