2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K12698
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
永岡 隆 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (00367054)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メラノーマ / 深層学習 / データ加増 / ハイパースペクトラルデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は深層学習によるメラノーマの自動診断システムの開発に向け、大きく3つの分野の研究開発を推進した。1つ目は3次元構造を持つハイパースペクトラルデータ(HSD)を深層学習にそのまま入力する手法の確立である。多くの分野で研究が進められている深層学習は、主に2次元のカラー画像を入力対象としているため、3次元構造を持つHSDはそのままでは適用できない。本年度は3次元畳み込み層を持つ3次元深層学習ネットワークを採用。本研究で蓄積されたHSDデータベースを用い訓練・評価することで、90%を超える正診率が得られている。今後はHSDに対する前処理やデータ加増の採用などで、正診率の向上を目指す。2つ目として、正確な病変部抽出技術の確立である。これまでの知見により、病変部を画像から抽出して診断に用いることで、正診率が向上することがわかっている。本年度はDeepLabV3+などの最新の領域抽出深層学習モデルを採用、これまでのu-netなどに比べ、領域抽出の正確性が向上することがわかってきている。今後は抽出画像による正診率の向上を目指す。3つ目は画像加増技術の確立である。メラノーマをはじめとした臨床情報は大量に収集することが困難であり、人工知能に必須なビッグデータを構築することが基本的にはできない。そこで貴重な臨床情報を水増しし、AIに訓練させる、いわゆる「データ加増」技術が必須となる。本年度はスタイル変換を用いたデータ加増に取り組んだ。スタイル変換とは、スタイル画像のスタイル(例えば浮世絵風など)を、その他の画像(例えば高層建築の写真など)に適用し、浮世絵のような高層建築の写真を合成する手法である。本研究では多人種の皮膚画像を病変画像に適用することで、様々な人種での病変画像を生成することに成功。これらによって診断システムの正診率向上を実現することが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、深層学習を用いたメラノーマの自動診断システム、kind-AI melの開発を目標としている。kind-AI melの目標正診率として95%を設定している。これまでの各種深層学習手法の開発によって、一部の設定では目標に近い性能をマークしており、最終年度までに達成できる可能性は十分にあると考えられる。 また、kind-AI melの開発によって得られたノウハウ、特にデータの前処理・後処理、データ加増技術などが、新型コロナウィルスの自動診断、柑皮症を活用した高脂血症の無侵襲診断、透析中心電図の解析など、他分野の技術開発に波及しており、当初の計画以上に進展していると判断できるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、HSDを用いた深層学習モデル、病変抽出モデルの高精度化、スタイル変換による加増の3本柱をメインに研究を推進する。特にHSDと病変抽出モデルを組み合わせ、さらに高精度な病変抽出ならびに自動診断性能の向上を目指す。この技術は同様に3次元構造を持つCTデータにも適用可能であり、新型コロナウィルスの自動診断システムの開発も併せて推進する予定である。スタイル変換による加増では、これまでスタイル変換の処理速度が遅いことが問題であった。近年高速スタイル変換技術がいくつか報告されており、これらによって大量のスタイル変換を実施し、より多くの枚数で深層学習モデルを訓練することによる高精度化が期待できる。これらの研究をまとめ上げ、最終的に正診率95%以上の自動診断システムの開発並びに臨床での実用化を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う半導体不足並びに海外渡航の制限のため、予定通りの支出ができなかった。感染収束に伴い、半導体不足も解消されつつあり、次年度中に必要な物品を取得する予定である。また、本研究の成果発表について次年度中に国際学会での発表を予定している。
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[Presentation] Robustness of a U-net model for different image processing types in segmentation of the mammary gland region2022
Author(s)
Mika Yamamuro, Yoshiyuki Asai, Naomi Hashimoto, Nao Yasuda, Hiroto Kimura, Takahiro Yamada, Mitsutaka Nemoto, Yuichi Kimura, Hisashi Handa, Hisashi Yoshida, Koji Abe, Masahiro Tada, Hitoshi Habe, Takashi Nagaoka, Seiun Nin, Kazunari Ishii, Yongbum Lee
Organizer
16th International Workshop on Breast Imaging (IWBI2022)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 深層画像生成技術を用いたFDG-PET/CT像異常検知による病変強調2022
Author(s)
瀬川新, 根本充貴, 甲斐田勇人, 甲斐田勇人, 山口明乃, 木村裕一, 永岡隆, 山田誉大, 北島一宏, 石井一成, 石井一成
Organizer
第61回日本生体医工学会大会
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[Presentation] 画素異常検知と深層教師なし特徴抽出によるFDG-PET/CT像上がん骨転移検出2022
Author(s)
山口明乃, 根本充貴, 甲斐田勇人, 甲斐田勇人, 木村裕一, 永岡隆, 山田誉大, 花岡宏平, 北島一宏, 槌谷達也, 石井一成, 石井一成
Organizer
第61回日本生体医工学会大会
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