2020 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍関連抗原と免疫チェックポイント分子CTLA4を同時標的化する光免疫療法の確立
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20K12699
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白須 直人 福岡大学, 医学部, 講師 (70551422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 晋一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (50336111)
芝口 浩智 福岡大学, 医学部, 講師 (60295061)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光免疫療法 / 免疫チェックポイント治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、近赤外光感受性物質を結合させたアビジン(AvIR)と、標的細胞の表面抗原に対するビオチン化抗体(BioAb)とを用いた光免疫療法(PIT)の有効性を実証してきた。このAvIRを利用したPITは、複数のBioAbを標的化分子として用いることによって、異なる種類の細胞群を同時にAvIRで標識し、近赤外光が照射された細胞のみを特異的に殺傷できる極めて安全かつ効果的な癌の低侵襲治療システムである。本研究では、AvIR-PITのさらなる応用展開として、腫瘍関連抗原および抑制性免疫補助シグナル受容体CTLA4に特異的なBioAbのカクテル抗体を用いることで、腫瘍細胞そのものに加え、腫瘍組織中に存在して抗腫瘍免疫応答を抑制している制御性T細胞を併せて殺傷する新規なAvIR-PITについて検討を行う。コロナ渦の中において、2020年度に予定していたマウス脾細胞に対する基礎的検討は行えなかったが、代替モデルとして、CTLA4を安定導入したCHO-K1細胞株を樹立した。これを用いたin vitro AvIR-PITを実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SARS-CoV-2の感染拡大を受け、大学への入校制限・動物舎への入舎制限等がかかり、また、試薬類の調達不良なども重なって、当初予定していたような研究・実験をなかなか実行に移すことができなかった。遠隔講義への対応などにも想定より多大なエフォートを割く必要があり、少なくない遅れが生じてしまった。最近になって、そのあたりの状況は改善されてきており何とか持ち直すべく鋭意研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は樹立したCTLA4発現CHO細胞や、BALB/cマウス乳癌由来4T-1-luc2細胞株(約40%がCD44陽性)等について、遅れているAvIR-PITの基礎的な検討を行う。また、BALB/cマウスより単離した脾細胞を標的として、CD44あるいはCTLA4に特異的なBioAb(それぞれBioCD44, BioCTLA4)とAvIRを用いたPITのin vitroにおける殺細胞効果について検証する。さらに、4T-1細胞やC57BL6マウス大腸がん細胞株MC38等を利用した同種移植担がんモデルを作成し、in vivoにおけるAvIR-PITの効果を調べ、特に遠隔腫瘍に対するアブスコパル効果について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大への対策のため、動物実験が滞り、試薬類の調達も困難な期間があり、当初予定していた実験の実施が難しかったため一定程度の次年度使用額が生じた。現在、試薬の調達の滞りも解消されつつあり、動物舎への入舎も問題ないため、繰越分の予算を予定していた動物実験等に有効に使用していくことが可能であると考えられる。
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