2021 Fiscal Year Research-status Report
全ての操作を遠隔化した消化器内視鏡治療ロボットの開発
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20K12700
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
久米 恵一郎 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20320351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 伸朗 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60346814)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内視鏡ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全ての操作を完全遠隔化し且つ1人の内視鏡医で操作可能なマスタスレーブ型ロボットの開発により早期消化管癌をはじめとする内視鏡治療を容易化・短時間化・平準化することである。プロトタイプとしてETRS (Endoscopic therapeutic robot system)1号機を開発した。この1号機は、1)臨床使用可能なサイズとすべく、経口的に挿入するオーバーチューブ(直径2cm以内)に挿入可能な構成とし、2)全ての操作(把持鉗子・ナイフ鉗子・注射穿刺鉗子)がコンピュータ制御により1人の内視鏡医のみで直感的に遠隔操作(把持・ナイフ鉗子のマスタ装置には、2台の“Geomagic Touch” (3D Systems inc,USA)を使用)できることを目的として完成し。しかし、臨床応用可能な最終型までの課題として、1)ナイフ鉗子の操作角度が足りなくなること、2) 内視鏡のアングル操作を鋭角にすると把持鉗子・ナイフ鉗子の操作性が低下することがまず解決すべき課題で考え、これを解決したETRS2号機の開発が本研究期間での目的とした。 昨年度は、新規ナイフ鉗子を開発したが、本年度は、新規は把持鉗子を開発した。新規の回転スプリングチューブの回転でポリアイドイミドの削り出しによるウォームギアを駆動し、またこのウォーム中心にはプーリが配置されており、拮抗する2本のケーブルを駆動する構成とした。よって、1号機では1自由度屈曲に外径1 mm チューブが2本必要だったのに対し、2 号機では1本の左右両回転のみで駆動可能とした。これによりアーム部への適度な弾性を実現しながら、正確な弾性特性により高精度な駆動を両立させた。さらに、1号機では直径4.5mm に対し、2号機では2.8mm 四角(対角3.4mm)となり特に側面に関して小型化を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の主要構成部分である、新規のナイフ鉗子及び把持鉗子機構が完成し、今後はバグや必要な補正を行った後、切除豚胃の仮想胃癌病変に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施できる見通しができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した新規鉗子機構を搭載・調整しETRS2号機を完成し、切除豚胃の仮想胃癌病変に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施する。
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Causes of Carryover |
おおよそ計画通りだが、ETRS2号機としての加工・調整費用と完成したETRS2号機を用いた豚胃によるESDに際して必要となる経費と考えている。
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