2021 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイム非接触測定を実現可能な散乱波法を用いた非侵襲血液診断システムの開発
Project/Area Number |
20K12702
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
菅原 英子 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90401950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 桂一 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20290702)
駒木根 隆士 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40370241) [Withdrawn]
黒澤 孝裕 秋田県産業技術センター, 先端機能素子開発部, 上席研究員 (60370243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非侵襲診断 / リアルタイム測定 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の血液診断は採血検査が主流であり,人体を流れる血液を非接触で診断する手段は確立されていない.糖尿病の罹患率の増加が深刻な問題となっているなか,患者に負担をかけない血糖値測定環境を実現するためには,非接触かつ非侵襲な測定方法及びリアルタイム診断システムの実現が求められている.その有力な手段として,本研究では,電磁波を用いた散乱波測定とヒューリスティックな識別手法を組み合わせた方法を提案する.本研究では,血管を模擬した直径5-10mmの管を流れるグルコース水溶液濃度と散乱電磁波の関係を明らかにすることを目標としており,次の3点を行う. (1) 散乱波法による流体の測定系の構築 (2)グルコース水溶液の散乱波計測に適した測定周波数帯域の調査 (3)ニューラルネットワークによる試料の状態識別 (1)に関して,令和2年度に行ったシステムの簡略化(モノスタティック測定系の構築)により,測定データの解析および補正が必要になったため,令和3年度はモノスタティック測定系での劣化油の散乱波測定とデータ解析・補正を行った.また,旧測定系(バイスタティック測定系)との比較を行うため,バイスタティック測定系の構築とデータ測定を行った.モノスタティック測定系での測定データには測定時のばらつきが多く,(3)の識別に使用するには更なる解析・補正が必要である.これに対し,バイスタティック測定系での測定は比較的安定していることが分かった. (2)に関して,濃度の異なるグルコース水溶液を4種類作成し,現行システムでの散乱波測定を行った.これから,(3)の状態識別が可能かどうか確認する予定である.また,アンテナを変え,異なる周波数帯での測定を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度に行ったシステム簡略化により発生した課題の解決が困難で,旧測定系の再構築と2種類の測定系における測定データの比較に時間を要してしまった.しかし,2つの測定系を構築でき,また,シミュレーション環境の構築も進んでいる.なお,ニューラルネットワークによる状態識別のプログラムは完成しており,識別系の開発は順調である.グルコース水溶液を対象とした測定に関しては,測定周波数帯域の調査は未着手であるが,測定自体は始めている.
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Strategy for Future Research Activity |
2つの測定系を用いて,グルコース水溶液の測定を進め,測定周波数帯域の検討を行う.この測定データを用いて,劣化油と同様にニューラルネットワークによりグルコース水溶液の濃度判定も可能であるか確認する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染の収束が見通せず,参加予定の学会が中止やオンライン開催となり,旅費が未使用だったこと,物品調達に遅れが生じたことから,次年度使用額が生じた.
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