2021 Fiscal Year Research-status Report
Bias analysis for pharmacoepidemiological study using medical information database
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20K12709
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
竹内 由則 東邦大学, 医学部, 講師 (40780341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隈丸 拓 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイアス解析 / バリデーション研究 / ノンパラメトリックモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療情報データを利用した薬剤疫学研究におけるアウトカムの不正確な捕捉を修正する「バイアス解析」について、理論的に妥当かつ実践的な一連の手順を提案することである。そのため、効率的なバリデーション研究法および、それに対応したバイアス解析法の提案を行う。これらについての理論的整理を行い、シミュレーション実験による性能評価を行った上で、実際のバリデーション研究のデータを利用した事例検討を行う。 本年度は、その後のバイアス解析において多変量解析を行うことを前提とした、バリデーション研究を行なう方法について議論を行った。その結果、特に調整変数が多い場合、変数の層ごとの感度・特異度を直接(ノンパラメトリックに)算出することは現実的ではないと考え、誤分類確率を予測する統計モデルを当てはめ、そのモデルの詳細をバリデーション研究の公表することが妥当であると結論付けた。一方で、他の統計モデルにおける課題と同様に、これら誤分類確率モデルを正しく特定することは難しく、誤分類確率統計モデル自身を誤特定してしまうと、妥当なバイアス解析を行うことが出来ない。そこで、誤分類確率モデルに対しノンパラメトリック密度比推定法による補正を試みたところ、誤特定の影響を緩和したバイアス解析を行うことが可能なことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規バイアス解析法の構築は概ね計画通り進んでいる。しかし、想定していたバリデーション研究のデータの利用の目処が依然立っていないため、実データを利用した評価が出来ておらず、その点で進捗が遅れている。今年度は、計画時の代替案としていた、レセプトデータを利用した仮想的なバリデーション研究データを生成することで、実データを利用した評価を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で検討を行ったノンパラメトリック密度比推定法による補正は、誤分類確率モデルの説明変数が多くなると、計算負荷が著しく増大するため、現実的には有用ではない。次年度以降は、(誤分類確率を利用せずに)誤分類されたアウトカムを直接修正する統計モデルと組み合わせることで、より統計学妥当性の高いバイアス解析法を提案する予定である。また、実際のバリデーション研究データの代替として、レセプトデータを利用した仮想的なバリデーション研究データの生成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックの影響により,参加を予定していた国内および国際学会がオンライン開催となり、その旅費を計上しなかったため、次年度使用額が生じた。COVID-19に対する国際的な対応法の変更のため、以後は学術集会も現地開催されると考えられるため、これらへの参加費および旅費として用いる。また、シミュレーション実験を行うための計算機利用費用としても使用する予定である。
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