2022 Fiscal Year Annual Research Report
加速器中性子源を用いたBNCT組織線量分布評価体系の確立
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20K12714
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井川 和代 岡山大学, 中性子医療研究センター, 准教授 (90512111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川原 亮 京都大学, 化学研究所, 助教 (00807729)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
楠本 多聞 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高度被ばく医療センター 計測・線量評価部, 博士研究員(任常) (90825499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BNCT / がん治療 / 放射線飛跡検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホウ素中性子捕療法(BNCT)は、優れた局所制御、機能温存によるQuality of Lifeが高く、早期社会復帰可能なため、低侵襲性がん治療として期待されている。BNCTは、腫瘍部に集積したホウ素-10原子と照射された熱中性子との核反応で放出されるα粒子及びリチウム-7の放射線エネルギーすべてを腫瘍細胞1個に与えることで腫瘍を破壊するという原理に基づくがん治療である。従って、腫瘍部位と正常組織におけるホウ素-10原子の分布と濃度から中性子照射量を決定する治療計画を立てることがBNCT治療の成功を握るといえる。 そこで、本研究では放射線飛跡検出器として使用されているCR-39を用いて、腫瘍部位と正常組織におけるホウ素-10原子の分布と濃度から中性子照射量を決定する組織内線量分布の評価体系を確立した。具体的には、CR-39上にホウ素-10を含む生体サンプルを貼付後中性子照射して、CR-39上の核反応で生じたα線やリチウム-7粒子の飛跡に生じた穴(エッチピット)の数からα線感度を校正することでホウ素-10の数を計測した。また、金の放射化法による熱中性子束と中性子に対する反応断面積から線量分布を評価した。生体サンプルとして細胞、3次元培養モデル、動物の組織を用いて、各々の最適条件を検討した。本研究の成果は、治療前のホウ素集積性検査や線量評価としてBNCTの臨床応用が期待できる。さらに、新規薬剤ホウ素-10の開発やBNCT適応疾患拡大などBNCTの発展に大いに貢献できる。
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Remarks |
https://iaea-collaborating-centre.studio.site/
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