2020 Fiscal Year Research-status Report
The method to determine the probability of disease severity by bayesian statistical analysis in a small number of patient data.
Project/Area Number |
20K12716
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
谷川 雅人 大分大学, 医学部, 教授 (90332890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安徳 恭彰 大分大学, 医学部, 准教授 (20529797)
岩城 貴史 大分大学, 医学部, 助教 (60416419)
中田 健 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (60555142)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgA腎症 / ベイズ統計 / Bayesian lasso法 / スパース |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症患者について,予定していた他機関との連携によるデータ収集には,COVID-19感染拡大に伴い,ほとんどを行うことができなかったため,これまでに発表された論分データを収集し,これらのデータとこれまでに得られたデータを併せて解析を行なった。また,これらのデータには,実際にそれぞれのケースでどのような治療が行われたのかがわかっているものもあったので,これらのデータを加えて解析を行う方法を検討した。 Bayesian lasso法で回帰係数のいくつかを0にすることによって,スパース性のある解析方法を検討を進め,現時点では,十分にデータ量を取得できていないが,この方法を用いて解析を進めている。これは,糸球体数が少なく,病気の進行段階のgradeの確率分布に広がりをできるだけ精度良く狭くするために必須である。 現時点では,患者ごとの経時変化(どのような場合で悪性度が進行しやすいのかやしにくいのか)についてのデータを取得できていないため,確定的することはできないが,それぞれの特徴を表すデータを抽出し,分類する方法も開発しているので,今後,データの収集が進めば,かなり正確な推定法を導き出すことができると考えている。さらに,事前分布についても無情報分布より実際の患者データよりベータ関数を用いて作成した分布を用いた方がデータ拡張しても概ね良い結果を得ているが,所々に生じている外れ値をどのように取り扱うかによって無情報分布の方が良い場合もあり,今後の検討課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度においては,IgA腎症患者について,精度の高い多く検査データを多数収集する予定であったが,COVID-19感染拡大に伴い,ほとんどを行うことができなかった。この研究は,このデータやその他臨床データを基に解析法を検討していくものであるため,非常に大きな影響受けることとなった。そのため,これまでに発表されている文献からデータを収集したものを用いて研究を進めた。元々の計画でもこれらも行う予定であったが,これらのデータでは,国の違いなどにより必ずしも診断基準が同じではないため,誤差が含まれることになる。当初の予定では,その違いも含めて解析予定であったが,現時点では,この解析を行うことができず,全てのデータを用いて解析法の検討を行なっている。また,少ないデータでの解析法の検討もこの研究の課題であるため,この少ないデータからどのような解析を行うことができるかについて時間をかけて多数の解析法を検討した。この検討によって,スパース性のある解析方法についてある程度の目処を立てることができた。これらから使うことのできる解析方法は最終的には,追加データを待って判断しなければならないが,候補となる解析法を準備することができたため,今後のデータの収集が再開されれば,研究を加速できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では,データ収集の再開の目処は立っていないが,令和3年度中には各医療機関とも相談し,データ収集について検討する。特に,この感染拡大の間に遠隔会議等がスムーズに行われるようになったため,これらを活用することにより,医療体制が正常化した後には,計画段階よりスムーズにデータ収集できるような体制を作ることができる。データが収集再開時にできるだけ速やかに解析方法を確立するために,現在使うことのできるデータを用いて,様々なモデルについてMCMCを用いたシミュレーションを可能な限り進める。また,IgA腎症における生検で十分な数の糸球体が得られない場合について,これらが偶然の結果なのか,巣状,増殖硬化,ガラス化,半月体などの細胞の状態や進行度などと関係するのかを明確にしたい。糸球体数が少ないこと自体が何らかの情報を持っていて確率変数に組み込めるとすると,本研究に非常に意味が大きい。 Bayesian lasso法で回帰係数のいくつかを0にすることによって,スパース性のある解析方法を検討する。これは,糸球体数が少なく,病気の進行段階のgradeの確率分布に広がりをできるだけ精度良く狭くするために必須であり,本研究を進める上で最も重要な課題の一つである。
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Causes of Carryover |
IgA腎症患者について,予定していた他機関との連携によるデータ収集には,COVID-19感染拡大に伴い,ほとんどを行うことができなかったため,研究に遅れを生じたため予算の一部を翌年度に繰越した。ただし,これまでに発表された論分データを収集し,これらのデータとこれまでに得られたデータを併せて解析を行なうなど予定より,進めた部分もあった。 現時点では,データ収集の再開の目処は立っていないが,令和3年度中には各医療機関とも相談し,データ収集について検討する。特に,この感染拡大の間に遠隔会議等がスムーズに行われるようになったため,これらを活用することにより,医療体制が正常化した後には,計画段階よりスムーズにデータ収集できるような体制を作ることができる。データが収集再開時にできるだけ速やかに解析方法を確立するために,現在使うことのできるデータを用いて,様々なモデルについてMCMCを用いたシミュレーションを可能な限り進めるために必要となる備品等を設置する。
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