2020 Fiscal Year Research-status Report
対光反射を用いた他覚的視野評価法の有用性に関する研究
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20K12720
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
浅川 賢 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (60582749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 他覚的視野評価 / 対光反射 / 瞳孔視野計 / ヘッドマウント型視野計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヘッドマウント型視野計の瞳孔記録装置を利用した瞳孔視野計の測定条件の最適化とともに、自覚と他覚の視野評価結果が一致するメカニズムを解明し、種々の病変の検出力を向上させることで、自覚応答が要求される自動視野計による視野検査が困難な症例に対し、他覚的視野評価法としての瞳孔視野計の有用性を確立することを目的とする。 レーベル遺伝性視神経症(LHON)は、盲点中心暗点の視野異常を示すが、他の視神経症とは異なり対光反射が保持される。そこで、LHON患者において瞳孔視野測定を試み、対光反射保持のメカニズムを検討した。 LHON患者7例(男性5例・女性2例)を対象とした。10-2プログラムにおいて、瞳孔視野計の縮瞳率とHumphrey自動静的視野計の閾値との相関を、測定点68点および測定点を鼻側・耳側に区分(各34点)し、さらに1°(4点)・3°(12点)・5°(20点)・7°(24点)・9°(8点)の領域にて、スピアマン順位相関係数(rs)により解析し、有意水準は5 %未満とした。 測定点ごとの相関係数を解析すると、全68点では0.42、鼻側視野は0.32と弱度の相関、耳側視野は0.52と中等度の相関が認められた。領域別では、1°(鼻側rs = 0.19・耳側rs = 0.61)・3°(0.19・0.55)・5°(0.29・0.47)・7°(0.37・0.51)・9°(0.53・0.62)と耳側視野は、いずれの領域でも中等度以上の相関が認められたものの、鼻側視野は7°以内では中等度以上の相関は認められず乖離する結果となった。 対光反射が保持されるのは、メラノプシン含有網膜神経節細胞(mRGC)の関与が指摘されている。しかし、mRGC由来の対光反射は、青色光かつ5秒以上の刺激によるものであり、白色光・1秒刺激とする瞳孔視野計の測定条件では、mRGCは活性されないと考えられる。したがって、7°以内の鼻側視野は対光反射が保持されやすく、そのメカニズムとしてmRGCとは異なる細胞が存在する可能性が推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、交通機関や移動の点から、研究対象者を検査室に来訪させることが困難であった。また、検査室にて実施することから、密閉・密集・密接を避けた研究環境を構築できないと判断し、健常者の基礎データを収集することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
自覚と他覚の視野評価結果が一致するメカニズムを解明するとともに、種々の病変の検出力を向上させることを目的に、緑内障や頭蓋内病変、自覚応答が困難な症例など、大学病院を受診した患者を対象とする症例データを収集していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、健常者の基礎データを収集することができなかったため。また、研究成果の発表は、学会がWeb開催となったことで旅費が不要となったため。 使用計画としては、今年度の成果を論文投稿する際の校閲費や掲載費、および症例データの解析費(統計解析を含め)と学会発表に関する費用に使用させていただきたい。
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Research Products
(8 results)