2022 Fiscal Year Research-status Report
対光反射を用いた他覚的視野評価法の有用性に関する研究
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20K12720
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
浅川 賢 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (60582749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 他覚的視野評価 / 対光反射 / 瞳孔視野計 / ヘッドマウント型視野計 |
Outline of Annual Research Achievements |
瞳孔視野計では対光反射を他覚的視野評価の指標とするため、瞳孔反応の特性と視覚の感度分布とが対応していることが前提となる。しかし、自動静的視野計とは測定原理・測定条件が異なることや、瞳孔には固有の変調が経時的にみられるため、測定値の個体差や個体内での変動の大きさが問題となる。そこで、健常者を対象とし、さまざまな測定条件において瞳孔反応の特性を検討した。また、瞳孔視野計の測定が困難な例や不可能な例を解析することで適応を明らかにした。 瞳孔視野計の対光反射は、局所的瞳孔反応であるため、いかに最大の縮瞳量を得るかが重要となる。視標輝度は微弱な光強度では消失し、明るすぎても対光反射波形が不安定となった。背景輝度は暗いほど大きな反応が得られるが、あまり暗くすると視野計の内部で過度の光散乱を生じ、正確な網膜部位別の光刺激ができないこと、視標サイズは大きいほど軽微な視野異常や局所欠損の検出力が低下する可能性があった。また、瞳孔視野測定の困難例や不能例の最たる要因は、ドライアイなどにより瞬目が多く混入する例や一定時間の開瞼維持が困難な例であり、測定時間の延長とともに、波形に乱れを生じた。また、内部視標を判別できないほどの視力障害や弱視を有する例では著しい固視不良となり、眼振やパーキンソン症状を有する例では瞳孔が検出されず測定不能であった。さらに、瞳孔径が3 mm以下では極めて微弱な反応となり、縮瞳率としての値が得られなかった。 自覚的視野評価では応答しなければ異常となるが、自覚応答が困難な症例は増加してくると予測される。このような症例に他覚的視野評価が有用となり得る可能性があるが、すべてが適応となるわけではなく、測定が困難あるいは不能となる要因を把握しておくことは、被検者に対する負担軽減につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他覚的視野評価の測定条件を検討するとともに、その適応を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
測定困難例や不能例の頻度と、それらの要因が明らかとなったことを踏まえて、瞳孔記録装置の精度向上などの改良や、視野異常の出現頻度が多い測定点に限局した検査時間短縮の対策を検討している。
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Causes of Carryover |
データの解析費用や成果発表の旅費、論文掲載費に予算を計上していたが、自身で解析をできたことや成果発表を行った学会がオンライン開催や都内近郊で開催されたこと、論文を執筆中であることなどが理由である。 計画としては、補助事業期間の延長が承認されたため、依頼された総説論文の中で積極的な成果発表を行うことで、広く社会に発信していきたい。
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Research Products
(10 results)