2020 Fiscal Year Research-status Report
白血球シングルセル・トランスクリプトーム解析による高精度な疼痛評価系の確立
Project/Area Number |
20K12724
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大和田 一雄 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (60101010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 正勝 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (70649996)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 白血球分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は生体防御にかかわる免疫担当細胞である白血球に着目し,ヒトおよび動物の血液を用いた遺伝子発現解析により疼痛が生体に及ぼす影響と疼痛管理の効果を高精度に評価するための評価系の確立を目的としている。 評価系の確立のためにヒトから血液を採取して検討することは非常に困難であることから,本研究ではマウス血液を用いて検討を行う。マウス血液はヒト血液とは異なり赤血球および血小板が非常に多く,白血球シングルセル化を効率よく行うために赤血球と血小板を極限まで取り除くことが重要である。本年度はマウス血液からの白血球分離の条件検討をおこなった。 細胞保存試薬と混和したマウス血液について赤血球凝集試薬,密度勾配分離試薬,溶血試薬を用いた白血球分離を検討した結果,溶血試薬において比較的最適な白血球懸濁液を得ることができた。おおくの血小板が残存する問題があったが,これは白血球分離の前処理として密度勾配を利用して全血から血小板除去を行うことで解決することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症が拡大する中で,動物実験の準備と実施に不都合が生じた。また依頼を予定していたシングルセル解析受託企業に空きがなく,年度内の実施を見送ったため遅れが生じることとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
疼痛の一般的な要因である外科的手術またはがん治療における疼痛の要因の一つである抗がん剤の投与実験を行い。本年度で最適化した条件で白血球分離をおこない,単一細胞分離装置によるシングルセルの取得と次世代シーケンシング解析を行う。
|
Causes of Carryover |
本年度は依頼を予定していたシングルセル解析受託企業に空きがなく,年度内の実施を見送ったため次年度使用が生じた。次年度は,シングルセル解析受託企業との調整ののち解析を依頼する。
|