2023 Fiscal Year Annual Research Report

未来予測に基づく、3D積層造形義肢装具の利活用に向けた試験評価システムの構築

Research Project

Project/Area Number	20K12739
Research Institution	National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
Principal Investigator	石渡利奈国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所福祉機器開発部, 研究室長 (10415359)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	硯川潤国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所福祉機器開発部, 研究室長 (50571577)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords	下肢装具 / 耐久性 / 繰り返し試験 / 3D積層造形 / 義手 / 3Dプリンタ / 試験評価 / 試験機
Outline of Annual Research Achievements	①3D積層造形義肢装具の開発・実用化ロードマップの開発　未来予測に関する情報を収集分析し、義肢装具分野に関する予測を抽出して2050年の未来社会予測図を作成した。また、3D積層造形義肢装具の研究開発・実用化動向を調査した結果、同義肢装具が、各印刷方式の利点を活かし、課題をクリアできる領域で実用化されている状況が明らかになった。直近10年では、現在、研究段階にある義肢装具の一部が実用化されることが予測され、段階を追って安全性や耐久性等の試験評価を行っていく必要があることが示唆された。 ②3D積層造形義肢装具の普及に向けた試験評価法の開発　試験評価に関する文献調査の結果、実用化が進む3D積層造形義手について、強度試験は行われているものの、耐久性の評価が課題となっていることが明らかとなった。このため、③の3D積層造形義手の耐久性試験評価システムを開発し、本試験機を用いて、代表的な積層造形義手であるe-NABLE “Cyborg Beast”および“Phoenix”の10万回繰り返し試験を実施した。その結果、変位サイクルごとの荷重ピークと位相を指標として、試験サンプルに生じる劣化の兆候や、潤滑の影響を定量的に捉えられる可能性が示唆された。以上より、変位サイクルごとの荷重ピークと位相の計測により、3D積層造形義手の耐久性を定量的に評価する試験評価方法を提案した。 ③3D積層造形義肢装具の試験評価システムの構築　3D積層造形義手の耐久性をより定量的に評価できる試験評価法を開発することを目的とし、変位サイクルごとの荷重ピークと位相の計測が可能な繰り返し試験評価システムを構築した。繰り返し試験は、モーターに繋がったリンク機構を義手に取り付け、屈伸動作を行わせることで実施した。リンク機構の取り付けでは、義手とリンク機構の干渉を避けるため、MCP関節の側方に取り付けが可能な治具を作成して用いた。